第15話
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このままでは話しが進まぬぞ」
「それもそうですな、では改めて二つ目の願いなのですが、私を客将として雇っていただきたい」
「正式にでは無く……か?」
「私は仕える主を探して旅をしております。その一環として客将になり、その陣営を見極めたいのです」
「フム……、我を前にして大胆な申し出だな」
「そうですな、しかしこの程度の事に腹を立てるほど、器量が狭いとは思いませぬ故正直に申しました」
大陸屈指の名門袁家、通常なら頭を下げて仕官するものである。趙雲のように様子見するというのはもっての外だ。
だが袁紹には、そのような常識は関係無かった。
「当然だ、その程度の器では袁家の当主は務まらぬのでな! フハハハハハ!!」
「それは重畳、ではしばらくお世話になります」
「歓迎しよう。三つ目は何だ?」
「それなのですがな……」
少し言い辛そうにしている趙雲、これまでの堂々とした様子が感じられない。
「どうした? 大抵のことなら問題は無い、まずは言ってみると良い」
「では……、魚醤を作り出した者を教えて欲しいのです」
「魚醤の……」
「袁家で製法が秘匿とされているなら、その製法を編み出した者を――「我だ」は?」
言葉を遮るように答えた袁紹に目を見開く
「今……、なんと……?」
「聞こえなかったか? 魚醤は我が作り出した。もっとも、お主の言うとおり袁家の――「主!」うぉっ!?」
そして今度は趙雲が遮った。
「我が名は趙雲、真名を星、これより袁紹様に絶対の忠誠を誓います!」
「待て!、いろいろ待たぬか!?」
「ハッ」
言われたとおりに口を閉じる趙雲、袁紹は聞かねばならない事が沢山あった。
「まず、趙雲は客将でやっていくのでは無いのか?」
「それは過去のことであります! すでに我が心は主と共に!!」
「お、おう」
彼女の剣幕にさすがの袁紹も戸惑いを隠せない。
「……魚醤か?」
「……正確にはメンマですな」
「め、メンマ?」
左様、と頷きながら言葉を続ける。
「大陸一の食品であるメンマ! そのメンマの味を広げてみせた魚醤には感慨を禁じ得ませぬ!!」
「まぁ、確かに魚醤で漬けたメンマは味が濃くて、酒のツマミなどにピッタリだな」
「お、おぉ……」
その言葉に肩を震わせる趙雲
「やはり袁紹殿こそが我が主、是非私を――「断る」ふぇ?」
余りにもあっさりと一蹴され、思わず間抜けな声が漏れてしまった。
「先の約束どおり、お主には客将として身を寄せてもらう」
「……私では力不足、と?」
「そうではない、我にとってお主は喉から手が出るほどに欲しい人材よ」
ただ
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