第15話
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足りない何かに気が付いた時と同じ表情だ。
「斗詩に自信を付けさせようと出場させたのだが……、思わぬ収穫になったな」
こうして第四回武芸大会は、趙雲の優勝により幕を下ろした。
………
……
…
大会終了後、賞金の授与と勧誘のため趙雲を謁見の間に呼び出した。
「まさかお主があの華蝶仮面だとはな……」
「おや、誰の事でしょう?」
「ちょっと!この期に及んで惚ける気!?」
「……違うと申すか?」
「某は華蝶仮面に憧れを抱き、その風貌を真似て大会に出場しただけです」
疑われるなんて心外な、とでも言いたそうな表情で弁明する趙雲
「ふむ……、得物も真似たのか?」
「左様、某は形から入る人間故」
「そのわりには使い込まれているな」
「……」
「……」
ここまで追求されるとは考えていなかったのか、趙雲は目を泳がせ出した。
どうやら華蝶仮面には彼女なりの矜持があるらしい。
「フハハハハハ、意地の悪い質問はここまでにしよう。趙雲、見事な腕前であったぞ」
「ありがたく……しかしこのような美少女を質問攻めとは、罪な御仁ですなぁ」
「さもあろう、我は美女に恵まれている故な」
「れ、麗覇様……」
「あ、あぅ……」
「え、アタイも入ってんの?」
「勿論呂布殿の事ですぞー!!」
「……」
袁紹の一言に周りの者達が反応を示す、趙雲はその様子に目を丸くしていた。
(名族とは御堅い所だと思っていたが、中々どうして暖かい環境のようではないか、この陣営で槍を振るうのは居心地が良いだろうな……)
「袁紹殿、賞金の方は要りませぬ」
「ほう……、理由を聞いても?」
「無論、実は三つお願いがあるのです」
「叶えるかは別にして、聞くだけ聞こう」
かたじけない、と丁寧に頭を下げた趙雲は言葉を続ける。
「まず紹介したい者が二人ばかりおります。両名とも優秀な文官ですので、悪い話ではありますまい」
「確かにそれは良い話だ、その者達は何処に?」
「後日ここに来る手筈です。面食いな袁紹殿も気に入りましょう」
「ちょ、ちょっと貴方!?」
「落ち着け桂花、お前をからかっているだけだ」
その言葉に桂花が趙雲へ目を向けると、「おや、ばれてしまいましたか」と意地の悪い笑みを浮かべていた。
「〜〜っ、この者は危険です! 今すぐ牢獄に叩き込みましょう!!」
「落ち着けと言うに」
「あぅ」
憤怒した彼女の頭に手を置き黙らせる。一瞬にして大人しくなるその様子は、親猫に運ばれる子猫のようだ。
「ハッハッハッ、慕われていますなぁ」
「……桂花の反応が可愛らしいのは理解できる。だが
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