第15話
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の後、袁紹の要望もあり彼女の大会出場は決まったのだが、これまでの対戦相手を槍の一突きで倒してしまうほどの手練れな為、斗詩の苦戦は必須である。
「貴方が、かの有名な『袁家の二枚看板』の一人、顔良殿ですか、こうして戦えること嬉しく思いますぞ」
笑みを浮かべながら槍を構える華蝶仮面、余談だが彼女の仮面は目の部分しか隠しておらず、顔の大半は露出している。
あれで正体が隠せるものなのか? と、袁紹は疑問に思ったが、彼女の正体が露見していない事実からして、あれで隠せるものらしい。
「今話題の華蝶仮面さんが決勝の相手だなんて……」
少し自信無さそうに呟いた斗詩であったが、愛用の金光鉄槌を構えた瞬間顔つきが変わる。
「でも、皆が見ている前で負ける訳にはいきません!!」
その顔には闘志が溢れていた。
「両方準備は良さそうだな……、始め!」
「ハアァッ!」
「おっと」
開始と同時に大槌を横なぎに振るう斗詩、しかし華蝶仮面に難なく避けられてしまう。
「重そうな一撃ですなぁ、受けに回ったらひとたまりも無さそうだ」
「まだです!」
「むっ!?」
『おおっと、斗詩のものすごい猛攻だーーっ! 華蝶仮面は万事休すか!?』
いつのまにか実況者と化した猪々子の言う通り、斗詩は反撃の間を与えないように攻撃を仕掛け、華蝶仮面はその猛攻を避け続けている。時折、反撃に移るような動きを見せてはいるが、何故かその動きを意識的に止めていた。
(くっ、僅かな隙があるが手が出せない。実戦なら兎も角、致命傷が厳禁な試合となっては、こうも上半身を激しく動かされたら万が一があるかもしれん……、やはり狙うのは足下か)
「っ!? そこ!!」
「なに!?」
相手が一瞬、目線を下げたのを斗詩は見逃さなかった。
「くっ、大槌で突きだと!?」
横なぎや振り下ろし、振り上げとはまったく違う突きの軌道に、目線を下げていたのも相まって反応が遅れてしまう。
「チィッ!」
しかし間一髪の所で避けられてしまった。
「い、今のも避けられるなんて……」
「ハハハ、流石に今のは肝がひ―――え?」
一旦距離をとった華蝶仮面は、何故か言葉を途中で切り左手で仮面を押さえる。
(紐が切れている、先ほどの突きが掠ったのか? ……これはまずい!)
どうやら仮面の紐が切れて難儀しているらしい。斗詩にとっては攻める好機だ、しかし彼女は動かない。
「……何故、攻めぬのですか?」
その様子に華蝶仮面が問いかける。それもそのはず、彼女は個人としてだけではなく、袁家の忠臣としても優勝したいはずだ。
斗詩は華蝶仮面の目を見据えたまま口を開いた。
「これで勝ちを拾っては、私の成長を信
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