第四章
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「気に入ったかな」
「はい、いい感じです」
「着心地がいいですし動きやすいですし」
「しかも何か」
「皆奇麗に見えますよね」
「うん、皆似合ってるよ」
笑顔でだ、スンダリは彼等に答えた。
「いいね、じゃあ君達は」
「これでいいです」
「このカイン=パンジャンでお願いします」
これが女性従業員達の返事だった、それで。
女性従業員の制服はそのカイン=パンジャンで決まった。そのうえで勤務してもらったが。
すぐにだ、ホテルに泊まった客がフロントやロビーで男性従業員達に言うのだった。
「ここの女の子の服いいね」
「凄く可愛いね」
「似合ってるよ、皆」
「まるで天女だよ」
こんなことを言ってだ、彼等に言うのだった。
「サービスも設備もいいしね」
「料理も美味しい」
「いや、本当にね」
「このホテルはいいね」
「いい感じのホテルだよ」
こうしてだった、女性従業員達のカイン=パンジャンからだった。
ホテルのことも客達に好評となった、それは彼等だけのことではなく。
すぐにネットでも取り上げられ雑誌にも載ってだ、インドネシアだけでなく東南アジアひいては太平洋中で評判となった。
宿泊を頼む客はひきもきらず従業員募集をすると人、特に若い女性の応募が殺到した。スンダリはその状況を前にしてだ。
オーナーの部屋でだ、彼はソファーに座ってお茶を飲みつつ共に座って同じお茶を飲んでいる重役達に言った。
「いや、まさかね」
「こう評判がよくてですね」
「ネットでも取り上げられて」
「ここまで繁盛するとは」
「思いも寄りませんでしたね」
「そうだよ、ただ制服を替えただけなのに」
ただそれだけなのに、というのだ。
「こうした状況になるなんてね」
「これまでうちのホテルはです」
重役の一人が彼に言った。
「ここまではとても」
「賑わっていなかったからね」
「はい」
その通りだとだ、重役はスンダリに答えた。
「とてもです」
「それがね」
「ここまで評判になってお客様が来てくれるとは」
「想像もしていなかったね」
「まさにです」
重役はスンダリに真剣な顔で言った。
「カイン=パンジャンのお陰です」
「女性従業員の制服をあれにしてね」
「全てが変わりました」
「あそこまで評判がいいとはね」
「思いませんでしたね」
「全くだよ、けれどね」
「はい、我がホテルの今はあの服のお陰です」
まさにというのだ。
「カイン=パンジャンの」
「その通りだね」
「では、ですね」
「これからもあの制服でいこう」
「誰からも好評ですから」
「いや、もう皆洋服だけれど」
インドネシアでもだ、服はそちらが主になっている。民族衣装はこの国でも過去のものになっているのだ。
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