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無欠の刃
下忍編
顕現
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いその声は、サスケに任せてきた我愛羅の叫び声。
 彼が、自分が何よりも信じている彼が我愛羅を予想以上に苦しめているのかと思い、振り向いた彼女の全身がそれを感知する。
 ナルトを包むのと同質のチャクラが、その体を包みだしている。
 まさかと、カトナが思わずその場で呆然と立ち止まった瞬間と、それが爆発するのは同時であった。

・・・

 戦況はカトナの予想を覆し、圧倒的にサスケの有利であった。
 写輪眼を使い、相手の動きを予測して翻弄するサスケによって、我愛羅の攻撃がテマリの腹部に命中する。思わず、テマリはその場に蹲る。
 当然だ。何の防御もしていないところに、予測不能の攻撃。しかも、我愛羅のチャクラによって密度が高められた砂の拳だ。嘔吐しなかっただけましといえる。
 動けなくなったテマリを捨て置いた我愛羅は、サスケが立っている地面の砂を使い、蟻地獄を作り出す。が、写輪眼でそれを見抜いていたサスケは、砂が自分を取り巻くよりもさきに、豪火球の術を放つ。
 辺りが森林であるため、すぐさま火の粉が辺りに飛び散り燃え移れば、自分の身を守るために、我愛羅は砂を消化に回す。その一瞬を狙い、サスケは跳躍し、懐に潜り込み、その技を放った。

 「千鳥!!」

 土遁は雷遁と相性が悪い。
 サスケの千鳥で砂の盾を無効化され、僅かに雷のチャクラを纏わせた掌底で砂の鎧が砕かれれば、我愛羅に打つ手はなく。
 もともと、カトナがネジ相手から学び、それをサスケが写輪眼で習得したその掌底は、体内にダメージを残すものだ。
 なすすべもなく、気絶するように我愛羅は地面に倒れふすが、しかし地面を引っ掻くようにして這いずる。
 立てないほどに叩きのめしたはずの彼が動くのを、感嘆のまなざしで見つめていたサスケが何か言おうとして。
 我愛羅はそんな彼よりも早く、自分の頭を近くにあった木に打ち付ける。
 がんがんと、何度も、何度も。繰り返すように、打ちつけた。
 驚きながらも、止めようとしたテマリが触れるより前に、我愛羅の頭から血が流れ。
 そしてにやりとわらった。

 「おれは、俺は死ななない!!」

 その言葉が放たれた瞬間、チャクラが変質する。
 テマリが目を見開いて叫んだ。

「我愛羅!?」
「おいおいなんだよ…」

 展開についていけず、見つめるだけしか出来なかったサスケは、そこで驚くべき光景を目撃する。
 我愛羅の体に封じられていた守鶴が主導権を乗っ取る。顔の周りや半身を包んでいた獣のような形をしていた砂の塊が、地面という地面の砂を根こそぎ吸い取っていく。
 ぎょっ、と目を見開いたサスケが思わず足を引く。
 それほどの速度で、雄大な森林を跡形もなく無くすほど豪快に、我愛羅の体を包む。
 それはまるで、ナルトの九尾の衣のよ
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