1部分:第一章
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はいささか現実的な意見であった。
「やはり。今動けるのは」
「仕方ないか」
「そうだ。何を言っても我々はまだ人がいない」
人どころか金も力もない。泡沫政党にはよくあることだ。
「だからだ。ここは何があっても挽回できるようにしておいてな」
「今は彼に任せるか」
「そういうことだ」
結局のところこれしかないのだった。今の彼等には。
「彼に行ってもらおう。いいな」
「そうだな。やはりそれしかないな」
「それならな」
こうして演説には彼が代わりに行くことになった。党員達はその彼を表面上は恭しく演説に行かせるのだった。その考えはあえて隠して。
「では頼むぞ」
「君の力を頼りにしている」
「わかった」
わかったと答えながらも彼にも然程自信があるようには見えなかった。軍隊で勲章を手に入れ優秀な下士官として評価されていたらしくある程度は自信らしきものは感じられないでもなかった。だがそれでも自信満々の英気溢れる人物には到底見えはしなかった。
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