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SAO−銀ノ月−
第短編話 U
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うとするのを見て、すぐさまそこから離れると、空中で制止していた――《死神》の力で動作がゆっくりになっていた――日本刀《銀ノ月》を受け止める。

「終わりだ……!」

 《死神》が振るう大斧の射程外に飛翔しつつ、日本刀《銀ノ月》を銃のように構えて狙いをつける。あとは柄に装備された引き金を引くと……その切れ味は維持されたまま刀身が発射され、《死神》の身体を容易く貫く。そこまでしてようやく《死神》が怯んだ隙をつき、日本刀《銀ノ月》の刀身が新たに装備されたことを確認した後、大地に向かって羽ばたくとその頭部に向け――

 ――一閃。

 頭部……首部に蓄積されたダメージは許容量を超え、日本刀《銀ノ月》の一閃で遂に《死神》は大地に倒れ伏す。それと同時に着地すると、ついた血を払うように日本刀《銀ノ月》を払った後、それを鞘にしまい込む。倒れ伏した《死神》は何も言わないまま、ただ、ポリゴン片となって消滅していく。

「ふぅ……」

 短いながらも予想以上の戦いに一息つく。ダメージをポーションで回復しながらも、最大値まで回復するなど待てず、俺はさっさと更衣室へと走り抜ける。ここで休んでいる間に、再び《死神》が出現しては元も子もない……というのもあるが、早く入りたかったという気持ちが大きい。

 男性用更衣室の扉を勢いよく開け放つと――もちろん他の客は誰もいない――手早く装備を解除していく。いつもなら現実で着替えをするより楽だ、などとたまに思ってしまうのに、今日に限ってタイプミスを連発して無駄に時間がかかる。

 あの《鼠》やレコンからの情報だ、女性プレイヤーは襲われない、というのは確かだろうが――いやアルゴはともかくレコンは不安だが――リズはどうしているだろうか。《死神》と戦っていることはないにしろ、待たせてしまっているだろうか。ようやく腰以外の装備解除が完了し、あの《死神》を退け遂にリズが待つ温泉に突入する……!

 ……いや、まあ男女別なんだが。リズが待ってるって言っても。湯気が立ち込めていて少し先も見えないくらい、という少々演出過剰な男湯を前に、現実と違って身体を洗う必要はないが、一応かけ湯を浴びて温泉の中に入っていく。

 熱い湯の感覚が膝下まで回ってくる最中、どこかゆっくり入れそうな場所を探して、ジャブジャブと音をたてて歩いていると……

「……しょ、ショウキ?」

 ……と、湯気の向こうから小さな声が聞こえてきた。俺の他にここにいる人物と言えば、一人しかいないが……まさか。まさかとは思いながらも、湯気の向こうへ彼女の名前を呼びかける。

「リズ?」

「ま、間違えて男湯の方に入ってたみたい……すぐ出てくから、そっち向いてて!」

 慌てたような声が湯気の向こうから聞こえてきて、こちらも急いでそっぽを向く。俺
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