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SAO−銀ノ月−
第短編話 U
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はならない、と《ダークリパルザー》を見えない場所にしまい込む。

「ふむ……」

 ならば発想の転換。通常の方法では斬れないのならば、むしろこれは斬る食材ではないのではないか。ならば揚げる、茹でる、煮る、あとは何だろう……ともかく鍋やフライパンが必要だが、これだけ大きい肉をどうにか出来る器具はここにはない。

「……まずは鍋からね」

 料理の為にはまず調理器具から。いざ作り出したら職人として手を抜くことは出来ず、リズは全力で鍋を作るべく炉のふいごを作動させ――

「で、何これ」

「何これの段階まで行ってないお前に言われたくない」

 結果として作り出されたものは、『焦げた何か』と『職人お手製の鍋&フライパン』。とりあえず口に入れることが出来る、という意味ではショウキの勝ちだろうが、これで勝利を誇る気は流石にショウキにもなく。二人揃って圧倒的な生肉の前にうなだれる他なく、空腹感がさらに二人の体力と精神力を奪っていく。

「やっほー、リ……ズ……?」

 そんな中、迷宮区の攻略担当をひとまず休憩となったアスナが、武器の手入れがてら《リズベッド武具店》に訪れ……たものの、二人揃って椅子に座ってうなだれている店主とその隣人に固まる。さらに言うなら机の上に置かれた生肉タワーに、平常運転で「いらっしゃいませ」と言ってくる店員NPCも、その光景のシュールさに拍車をかけていた。

「えっと……どうした、の?」

「ああ……アスナ……いらっしゃい……」

「攻略の交代時間か……」

 すっかり意気消沈している二人を、何とか正気に戻して今まであった事情を聞く。……どうしてこんなことになったのか一つ息を吐きながら、アスナはそのままにしていた武装を解除すると、代わりにエプロンを前掛けにして装備する。

「リズ、厨房借りるわよ。ショウキくんはお肉斬って持ってきて!」

「え、ええ……」

「あ、ああ」

 そこからは《閃光》アスナの独壇場だった。ショウキがその生肉タワーを切り崩していき、リズがそれらをアスナの元に持っていくと、それだけで先の圧倒的生肉が嘘のように溶けていく。全ての生肉をショウキが肩で息をしながら切り崩すと、あっという間にエプロン姿のアスナが机を食卓へと変貌させていた。

「お疲れ様、ショウキくん。ご飯にしましょ?」

 アスナが三人分の料理をテキパキと食卓に並べているのを見ながら、ショウキとリズはあたかもアスナの家に遊びに来たかのように、もしくは拾われた子犬のように居場所がなくて座して待つ。

「豚しゃぶにしてみました。タレは私のオリジナルだから、感想聞かせてね」

「おお……」

 ついつい口から感嘆の声が勝手に漏れてしまう。手頃なサイズに切られたキャベツのような食品に、茹で
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