黒炎弾
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仮面が吸い込まれる。それを遊矢は拾い上げてデッキケースに収めて、ポケットからカードを取りこぼし、倒れる。取りこぼしたカードに手を伸ばし、力つきる様に動かなくなる。
「遊矢!!」
私を囲んでいた光の壁が消えてなくなり、私は遊矢の元に走る。抱き起こすと、火口の近くなのに体温が冷たくなっていた。闇の決闘でライフが0になるということは死を意味する。それを強引にインフェルニティ・ゼロの力で動いていたのだとすると、遊矢はもう
「そんなことない!!遊矢を死なせはしない!!」
遊矢がポケットから取りこぼしたカードを拾って確認する。遊矢が最後まで手にしようとしていたカードだ。何かがあるはずだ。
「ライフ回復の魔法カード?それも見た目がクスリ系や食べ物の?」
至高の木の実、ゴブリンの秘薬、天使の生き血、ブルー・ポーション、レッドポーション。なぜ決闘が終わった後にそれを取り出したのか。
「そうか、カードの実体化!!」
精霊界に行く前に魔界の足枷を実体化させていた様に、ライフ回復の魔法カードで回復しようとしたんだ。精霊界にいた時に一応実体化させる方法は聞いた。確かカードにイメージを込めながら魔力を注ぎ込めば具現化するって。魔力は精霊の力を強める為に扱い方を習っていたから扱う事は出来る。だけど、具現化にはかなりの魔力が必要らしい。カードの力によって必要な魔力も変わってくる。ここは一番回復量の低いブルー・ポーションを具現化するしかない。出来なければ、遊矢は死ぬ。
「そんなこと、絶対に駄目!!」
六武衆達を実体化させる時と同じ様に魔力をブルー・ボーションのカードに注ぎ込む。予想以上に魔力が少なくなっていくのに実体化の兆しは全く無い。それでも諦める事無く注ぎ込み、ようやく実体化させた所で消耗し過ぎた。私自身も倒れそうになっている。それでも遊矢に飲ませなければと口に押し当てるも、ただ零れていくだけだ。
「お願い、飲んで」
私はブルー・ポーションを自分の口に含み、口移しでブルー・ポーションを飲ませる。
「ぐぅ、ごほっ!!」
残っていた分を全部飲ませた所で遊矢が息を吹き返した。
「あっ、なっ、ツ、ツァン?」
「よかっt」
「ツァン!?っ!!」
目を覚ますと目の前にツァンの顔が見え、そのまま気を失ってしまった。慌てて起き上がろうにも全身がボロボロで痛みが走る。とりあえずツァンの状態を確認して見ると魔力が枯渇しているだけではなく魂まで消耗している。周りを見るとブルー・ポーションの容器が見える事からツァンが魔力と魂を使って実体化させたのだろう。それをオレに飲ませ
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