第24話 凡夫の犬歯は、気高き名犬に届き得るものなのか
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俺の事は諦めろと言っておいたはずだぞ!?」
「そう簡単に諦められるモノではありませんよ?何しろ、私が同棲愛好者への目覚めの張本人なんですから!」
手を握り締めて力説する冬馬。
「皆さん、漫才もそろそろ切り上げて下さい。一子が奮戦中なのですから」
ジャンヌの言葉に、冬馬以外が頷いた。
「私は本気も本気だったのですが・・・」
「と・う・ま・君?」
「――――解りました。私も命が惜しいですから、今日の所は引きましょう」
(金輪際にしてくれよ・・・)
士郎は切実に、そう思った。
そこでナイスタイミングだったようで戦況が動く。
刃部と柄部を使いまわしながら、義経のスピーディーな猛攻を辛くも防ぐ。防ぐ、防ぐ!
「はっ!くっ!?ふっ!やぁああ!」
全て防ぎつつあるが、武術に少しでも心得がある以上の者達からの視点では押されているのは一子だった。
それは当然、まるで美しき剣舞を振るっている本人――――義経自身が理解していたが、訝しんでいた。
(如何いう事だろう?此処までで、川神さんの一番の武器は集中力だと言う事が解ってきたと思ってたんだが、違ったのか?乱れてきている)
あくまでも、実直で真面目かつ謙遜な態度を崩さない義経は、自身の猛攻により一子の集中力が切れていると言う現実に訝しんでいたのだ。
そんな義経の疑問には賛同せずに、一子自身が劣勢に立たされているので焦っていると考えていた友人達が、ギャラリーたちに混じっていた。
「川神一子の集中力が落ちてきているぞ?宮子」
「押され始めてるからね。まぁ、源義経相手じゃ無理も無いけど・・・」
矢張り友人たちは、一子の心境に気付いていなかった。
一子の最近の変化した点、戦闘と言う考える事が厳しい状況で、冷静に観察しながら勝利を無理矢理掴むと言うスタイルの変化に。
(ここよ!)
自分はさも追い詰められて、一発逆転を狙っているかのように、義経に向けて重い一発を薙刀に乗せて振り下ろす。
「甘い!」
その一撃を、瞬時にバックステップで少し後退して躱した後に、すぐさま、体勢を取り戻させない様に一子に向かって突っ込む・・・・・・が。
「何!?」
重い一発を躱されたせいで、体勢が整っていないからこそ突っ込んだと言うのに、一子はいつの間にか迎撃態勢を整えており、薙刀を振り上げる態勢になっていた。
「はぁああああ!」
「クッ!?」
そんな一子の迎撃態勢に、無理矢理足による急ブレーキで地面を踏ん張りながら勢いを殺してから、また後方に緊急的に下がった。
その緊急時の判断は自身の体を守り、体全体だけは一子の振り上げに
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