第24話 凡夫の犬歯は、気高き名犬に届き得るものなのか
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士郎の言葉に、大げさではないかという位に驚く一子。
「いいの!?士郎さん!修業を始めたばかりの頃は、勝手に真似したから、あんなに怒ってたのにぃ・・・・・・」
「それはそうだろ?まだほとんど最初っからの頃の話だし、それに加えて勝手にアレンジしながら百代の戦法にも拘るって言う、中途半端だらけなちぐはぐ状態だったからな」
「ふぐっ!?」
「けど、今の一子になら、なんとか・・・・多分・・・・もしかすれば・・・・ギリギリ・・・イケるだろう!」
「どっ、どっちなの!?」
士郎のはっきりしない態度に不安がる一子。
「だが今回の内容如何では、また暫くの間禁止にする事も有り得るからな」
「ええ〜!?」
「当たり前だろう。昨日から正式に、鉄心さんとルー師範代から任されたんだ。にも拘らず、その責任を放棄など出来る筈も無いからな」
「むむむ・・・!」
私なら大丈夫よ!と言いたい一子ではあったが、この戦法の達人と言ってもいい位の人に、そうまで言われれば引くしかなかった。
「話はついたようですね」
所要で少しの間、その場を離れていた雫が戻って来た。
「ならその訓練も兼ねて、私と軽く手合わせしましょうか?一子」
「い、いいいやだわ〜、私これから、ジャンヌと朝食の準備があるんだったわ〜」
気圧される一子は、そんな言い訳で逃走を図ろうとしたが、後ろから雫に肩を掴まれた。
「心配いりませんよ。お嬢様の手伝いなら、若が向かわれましたから」
「!??」
雫の言葉に、先程まで居た士郎が、庭の何所にも居ない事に気付いた。
如何やら雫が戻ってきた事と、今日の自分の役目を終えたと判断した士郎は、交代する様に一子に声を掛けずに家屋内に行った様だ。
「さて、もう何の心配もいりませんね。お嬢様と若の朝食づくりを邪魔しても何ですから、あちらで続きをしましょう」
首根っこを掴まれ、引きずられながら訓練の場所から離れていく一子。
「ゆ、赦して雫ぅ〜〜〜〜!」
懇願も空しく、ある意味川神院以上のスパルタを一子は雫から受けた。
〜回想、了〜
「――――と言う事ですね」
「し、雫も大概なのだ・・・」
スパルタの内容がそれほどだったのか、小雪が珍しく気圧されていた。
「いやー、今の雫さんの表情にゾクゾクッときてしまい、私の中のマゾヒズムが遺憾なく騒いでしまいましたよ!如何です雫さん?今夜は七浜で、デートしてくれませんか?全裸で」
「お断りさせて頂きます。私の身も心も既に、若のモノですので」
「大丈夫です。私は受けの方が得意なんですよ?なんなら士郎さんも一緒の3人でのデー――――」
「断る!と言うか、
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