第百十二話
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態を維持。俺がきつねうどんを食べきったころに水を飲んで、ようやく再起動する。
「・・・なんで、こんなものを?」
「と、いいますと?」
「権能の詳細なんて、武双君にとっては隠しておけた方がいいものではないのですか?」
まあ、それはそうなんだけど。カンピオーネの多くは自らの持つ権能について信頼できる仲間や完全な身内の人間でもない限り、そう細かく詳細を伝えることはないだろう。事実、古参と呼ばれているあの三人については何から簒奪した権能なのかもわかっていないものが多いほどだし、トトについては側近のやつが隠しているほど。隠すことが出来るのであれば隠しておいた方がいい、むしろ隠していこうという類の事柄だ。俺だって、どの神から簒奪しただとかどんなものであるだとかある程度は伝えてきたけど、ここまで詳細なものは渡していない。
とはいえ、渡しといた方が後々楽なのも事実なわけで・・・
「ま、隠したいものではあるんですけどね・・・何かあった時のために、渡しといたほうがいいかなぁ、って」
「何かあった時、ですか?」
「はい、何かあった時のため、です」
具体的には、あの嫌がらせしてたバカどもがまた何かしようとした時。あれだけちゃんと脅したし大丈夫だとは思うんだけど、中にはとびぬけてバカなやつがいる。『私たちが積み重ねてきたモノを、たった一度の偉業だけで覆してなるものか!』とか言う、本当に阿呆な考えを持ってるやつ。特に若いやつに多いみたいだけど、日本にも一人二人はいることだろう。
んでもって、そう言うやつらが何かしてくるとすれば危険の多い俺や神代家に対してではなく、ウチの庇護下に入ったということになっている梅先輩の家の方が可能性は高い。俺がどうにかすればいいことなんだが、それができない場合ってのもあるわけで・・・
「というわけで、そう言うことがあったらその中の一つと引き換えに委員会に介入させてください。向うが動くには十分な報酬でしょう?」
「たしかに、それはあるかもですけど・・・いいんですか?私がそんなこと気にもしないで渡す可能性もあるんですよ?」
「それならそれでいいんですよ。建前は『庇護下に入った家に対する恩寵の一つ』ってかんじなので、本来どう使うのかは朝倉家の勝手です」
扱いに困り切っている様子の梅先輩を心底面白く思いながら、俺は水を飲む。あー、冷たい水美味しい。
「えっと、それじゃあ・・・これはもらっていいんですね?」
「ええ、どうぞどうぞ。超貴重ですよ?神代家以外でそのデータ持ってるのは、先輩だけです」
「とりあえず・・・委員会の方に、どの神と戦ったのかだけは報告しておくことにします」
「あ、それならそこにヒルコを追加しといてください」
俺からそう伝えると、「分かりました」と言って梅先輩は受け取っ
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