第二章
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「じゃあお願いします」
「それじゃあね、祭りの時まではそのジンポー族のお店に行って」
「飲んで食って土産ものを買って」
「楽しんでくれよ、案内するよ」
「それじゃあお願いします」
こうしてだった、広幸は馬に案内されてだった。
そのジンポー族の酒や料理を楽しみ民族の工芸品等を見て買ったりした。そうしたことをして楽しんでだった。
その日が来た、目脳節をだ。その時に。
馬は笑顔でだ、広幸を祭りの場に案内した、すると。
そこにいたのは、見れば。
「人民服の人はいませんが」
「おいおい、また懐かしい服を出すな」
もう中国でも着ている人がいなくなった。
「わしも三十年以上着てないよ」
「俺も生まれた時から」
「そうだろ?けれどだね」
「はい、見たところですけれど」
自分と変わらない洋服の人達を見ての言葉だ。
「漢民族の人ばかりですよね」
「観光客のな」
「お祭りだからですか」
「関さんは知らないで来たけれどね」
「知ってて来た人も多いんですね」
「いや、中国も旅行が盛んになってきたよ」
海外にまで出ている、中国も豊かになったのか旅行も立派な産業そして娯楽になっていることは間違いない。
「だからわしも飯が食えている」
「そういうことですね」
「普段は靴屋じゃが店は息子夫婦に譲って」
「今のメインはガイド業ですね」
「そうだよ、まあとにかく漢人もいて」
「それでジンポー族の人達は」
「案内するよ、是非見て欲しい」
馬は飄々とした人懐っこい笑顔で広幸に言った。
「きっと気に入るよ」
「結婚相手にですか?俺彼女います」
「ははは、そういう話じゃないよ」
馬は広幸の言葉にまたしても笑って返した。
「つまりは」
「はい、浮気をしろというんですね」
「目だけでな」
「わかってます、それ以上浮気をしたら
「彼女に殺されるな」
「日本のアニメでありましたね、三角関係の末に包丁でと」
「いや、それはドラマだろ」
馬は日本のアニメの話を聞いてすぐにこう返した。
「現実にあるにしても」
「日本のアニメでそうしたのもありましたよ」
「そうか、日本のアニメも凄いのがあるな」
「それで相手刺し殺すんですよ」
「ドロドロしてそうだな」
「実際にかなりドロドロしたアニメでしたね」
「ドラゴンボールみたいなのばかりでもないか。わしはあのワンパターンで全く進まないキャラクターを粗末にする作風が好きだが」
ドラゴンボールのそうした作風をというのだ。
「そうしたアニメもあるか」
「日本には」
「そうか、まあとにかくな」
「目だけの浮気をですね」
「してみるといい、少なくとも関さんは金色を見飽きたな」
「別の色を見たくて来ました」
「なら絶対に満足してもらえる、ではな」
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