StrikerS編
第八話「不思議な少女…ヴィヴィオ」
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。俺は……」
翔がそれを否定しようとすると、少女は悲痛に顔をゆがめ今にも泣き出しそうになってしまう。それを見た大きく溜息をつくと少女に告げる。
「パパでいいぜ。」
するとそれを聞いた少女が感極まってしまったのか、目に溜め込んでいた涙を流しながら翔の元に駆け寄ってきた。
翔はしゃがむと少女を抱きとめる。少女の方は翔に抱きとめられ泣きじゃくっているそれに動じることはなく、少女の背中を撫でていた。
やがてなのは達も集まり、少女捜索は終了となった。
少女が泣き止み、翔が話を聞くため一旦離そうとするが少女は翔の服をがっしりと掴みまったく離れてくれなかった。仕方ないので翔が抱えた状態で話を聴くことになった。
「ところで君の名前は?」
「ヴィヴィオ。」
「ヴィヴィオかでもヴィヴィオどうして部屋から出たんだ?」
その問いにヴィヴィオはまた目じりに涙を溜めながら悲しげにつぶやいた。
「ママ……いないの。」
ヴィヴィオのつぶやきにその場にいる全員が悲しげな顔をする。だが翔は彼女の頭を優しく撫でながら悲しみを打ち消すように告げた。
「よし、じゃあ俺と一緒に探すか。」
「うん。」
ヴィヴィオが頷いたのを確認すると、翔はなのはに念話を送る。
『悪いななのは、少しこの子と回って来るからもう少し待っててくれ。』
『うん、いいよ。ちゃんと面倒見てあげてね。』
二人はその場から立ち去っていた。
六課に戻ってきた翔は寮の自分の部屋にヴィヴィオ、そしてなのはと共にはいった。ただシグナムはまだシャッハと話があるそうなので、病院に残った。
ヴィヴィオは病院で歩き回ったせいか寮に着くまで眠ってしまっていた。だがその手は翔の服を掴んでおり、離れてくれなかったのでつれてくることにしたのだ。医師によれば容態は安定しているようなので大丈夫だろう。
ヴィヴィオも一度は起きていたのだが、今は翔の部屋でなのはの膝の上で寝息を立てている。どうやらなのはが気に入ったようだ。
「ふぅ。」
「お疲れ様翔君。」
溜息を漏らす翔になのはが労わる。なにせずっとヴィヴィオの相手をしていたのだから、疲れるのは必然だ。
「翔君はヴィヴィオをその……引き取るの?」
「どうだろうな、でもえらく気に入られちまったのは確かだからな。」
「でも病院で相手してた時は様になってたよ?」
なのはは口元に指を置きながら笑みをこぼした。
「んなこと言ったってなぁ。」
頭をかきながら悩む翔だが、その顔は真剣そのものだ。すると、
「んぅ……」
ヴィヴィオが目を擦りながらなのはの膝枕から起き上がった。ヴィヴィオは少し周りを見回した
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