第6章 流されて異界
第117話 リリーフ
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け」
結論……いや、おそらく覚悟か。流石にさつき自身が本気でこの回に追い付ける、などと甘い考えで居る訳はないでしょう。故に、覚悟。ただ、少なくともこの俺の周りに集まったメンバーに試合を諦めた人間はいない、と言う事なのでしょう。
そう彼女――相馬さつきと言う人物もハルヒと同じタイプの人間。何時も何かにイラついて居て、常に不満足なソクラテス状態。
そして、この三人――有希、万結、さつき。いや、おそらくハルヒと朝倉さんも含めての共通点は、かなりのレベルの負けず嫌いだと言うトコロ。残りのSOS団のメンバー。朝比奈さんや弓月さんは割と周りに流され易いタイプの人間の様なのですが、有希・万結・さつき・ハルヒ・それに朝倉さんの五人については――
それで、只でさえこの試合は能力を封じられてイラついて居るトコロに、審判による一方的な判定。更に俺に対するビーンボール。この状況でさつきが爆発しない訳がない。
有希に関しては……表面上は感じませんが、心の部分は怒と言う感情が強く成って居るのは事実。
万結に関しては……。俺の知っている彼女から推測するのなら、彼女の中に勝負に負けると言う選択肢は、そのままイコール死と言う答えと直結する生活しかなかった生命の頃の記憶がうっすらとある程度。彼女には某赤い大国の諜報部から。
そして俺たちには自由主義の大国の諜報部から追っ手が掛かって居たので、勝負に負けるイコール自ら、そして仲間の死以外の答えは有りませんでした。
そして有希と万結に関して言うと、被害を受けたのが俺だと言う部分が大きいでしょう。どちらも雛鳥が最初に見た動く物を親だと錯覚するのと同じ状態に置かれて居て、その親鳥だと思って居る人物が悪意の元に襲われた可能性があるのですから。
綾乃さんから満足気な雰囲気が発せられた。おそらく、大きく首肯いたのだと思う。そして、この瞬間に作戦は決まった。
いや、作戦と言うほど複雑な物ではない。これは勝利への意志統一と言う物。
「さぁ、この回に一点でも多く返しましょう!」
ノーアウトランナー一塁・二塁。バッターは四番の有希。内野安打と死球と言う、六組の実力で作ったチャンスと言うよりは、相手により貰ったチャンス。
こう言うチャンスは物にしなければ一度掴み掛けた流れを、再び相手に戻す結果となる。
先ほどの打席と同じように右バッターボックスにバットを持って、ただ突っ立って居るだけの有希。構えとすればオープンスタンス……が一番近いと思う。もっとも、彼女のそれは打者が投球を待つ形と言うよりは、身体をピッチャーの方に正対して居る、と言う形。足は開く事もなく、揃えた状態なのは第一打席とも同じ。
それに何時も感じるのですが、彼女の冬用の体操服は少し大きめで手が少し袖に隠れる程度。更
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