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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第468話】
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かりなのだから。

 母さんの顔も過ったのだが、流石に教師だから無理だろう――アドバイスを聞くだけにとどめた方が良さそうだ。

 腕組みしながら考えつつ、窓を見るや既に夜の帳が降りてきていて辺り一帯真っ暗闇になっていた。


「簪、取り敢えず協力出来そうな人には当たってみる。 もう夜だ、そろそろ寮に戻ろう」

「わかっ……た……」


 身体が冷えたのか、二の腕を擦る簪――もう十月に入ってる中でのISスーツ姿だ、寒くて当たり前だ。

 何かコートでもあればと思うものの、そんな気の利いた物などアリーナには用意されていない。


「じゃあ今日は一旦解散で、明日と明後日以内で機体を仕上げよう」

「ぅん……。 ……ヒルト、先に……帰る、ね……」


 言ってから駆け足で出ていく簪――少しよそよそしく感じるのは気のせいではないだろう。

 俺はロッカールームで制服へと着替えると、その足で母さんの元へと向かった――多分学園内の整備室に居るだろう、そう信じて。


――整備室前――


 校内はまだ明かりが点っており、校舎独特の静けさが辺りを包んでいた。

 途中親父に遭遇――何でも今日も前に来た金髪の坊っちゃんが来たらしい……一応ISに触れる許可などの申請書を渡したため近々その機会があるとか――「まあ、杞憂に終わるだろうがな。 ワッハッハッハッ!」――といつもの豪快な笑い声と共に言っていた。

 ――それはそれとして、彼の言ってる【ハニー】とは誰のことだろうか?

 考えても答えは当たり前の様に出てこない。

 ――今度、話す機会があれば聞いてみるかな。

 整備室のスライドドアの前に立つや、圧縮空気が抜けてドアが開く。

 中には繋姿で髪を纏めた母さんがISの整備をしていた――前に見たイザナギだ――とはいえ前回見たときとは違い、右肩には短砲身と長砲身に切り換え可能な荷電粒子砲、左肩には大きな鋏の様なのが付いていた。


「母さん」


 俺がそう呼ぶと、気付いたのか顔を上げて笑顔で応えてくれた。


「あらぁ〜、もう遅いんだからいつまでも学園に居ちゃダメよぉ〜?」

「ん、まあ用事が終わったら戻るさ。 ――てか母さん、今大丈夫?」


 そう聞き返すと一旦作業の手を止める母さん、手近に置いていた飲料水に口をつけ、水分補給を行うと――。


「ウフフ、お母さんになにか用事〜?」

「ん、少しな。 実は――」


 簪の機体、打鉄・弐式の現状を説明した。

 うんうんと頷く母さん――一通り説明を終えると、空中投影ディスプレイで打鉄・弐式に必要な荷電粒子砲のデータとマルチロックシステムのデータを俺に見せてきた。


「荷電粒子砲のデータ
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