2部
村人
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村長に言われて近くの街まで出て、こうして依頼内容を書いた看板を掲げている。理由としてはごく単純だ。二年ほど前から活動していると言われる、とある警備会社への依頼の為だ。
その会社は俺の村のように、忍を雇えないような貧しい奴らからの依頼を率先的に引き受けるらしい。その報酬として、僅かばかりの賃金と警備会社の親会社であるラビットカンパニーの支店の出店許可を求めるのだ。俺たちが払うその報酬も、俺たちにとってメリットがある。ラビットカンパニーの支店が立つと言うことはわざわざ遠い街まで農作物を運ぶ必要もなく、採れたものを直ぐに売りに出すことができる。街まで運んでいる最中に作物の質が落ち、値切られるという事が実質なくなるということだ。
ただし、忍の里へ一度は任務の依頼を行い、それが承諾されなかった場合のみ依頼を受けるという条件付きだがな。
今現在、山賊に頭を悩ませている俺たちの村は一度は里に依頼したのだが、任務の途中で山賊の頭が忍者と分かると同時に、違約金として依頼の為に支払った金は取られた。そして、再契約の為の料金を要求されたが、俺たちの村にそれを支払うだけの金はなく、そこで任務は打ち切られたのだ。
そもそも、村を襲っていたのは通常の山賊で山賊の頭の姿を見たことすらない俺たちにとって、違約金の話は寝耳に水だった。だから、違約金を取られた俺たちは途方に暮れるしかなかった。
そんな時に村にその警備会社の広報を名乗る黒いスーツ姿の女が現れ、会社の概要説明と依頼方法を書いたビラを配っていったのだった。その内容に胡散臭さを感じながらも、背に腹は変えられないという事で、こうして街で依頼内容を書いた看板を掲げるという謎の依頼方法をしている。
こんな方法では一体どれ程の時間、俺はここに突っ立ていなければならないのか甚だ疑問だが、俺がそれについて考えると同時に後ろから声をかけられた。
「ご依頼ですか?」
俺は驚いて振り返ると、そこには黒縁の眼鏡をかけた、白スーツの女が立っていた。女の顔立ちはどこか幼さを感じさせるものではあり、雪のような白い髪も相まってどこか浮世離れした印象を受けた。
「あんたが警備会社の?」
「はい、何かご不満が?」
彼女はクスリと笑いながら、眼鏡越しに青い瞳をこちらに向けた。
「あ、いや……」
俺が慌てて無礼を詫びようとした瞬間、彼女は俺の口に指先を当てて言葉を遮った。
「我々はこれでもそれなりのプロ意識は備えています、そして我が社のモットーは信頼は実力で勝ち取るもの。ですので、言葉で言い繕うつもりはありませんよ」
彼女は子供のような屈託のない笑みを浮かべつつ、指を離して俺に対して最初と同じように同じ事を聞いた。
「ご依頼でよろしいのですね?」
「ああ、そうだ。だが、あんた、どうやって俺を見つけたんだ?」
「そ
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