第百六十四話 外道
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ヴァンデモンの口はそう言うと解けるように消えていった。
途端に及川が苦しそうな声をあげる。
体を縮こまらせて苦しんでいると思っていたら、次の瞬間口から青い光が飛び出した。
その光は地面に落ちる。
床に着地した途端姿を及川と瓜二つに変える。
派手に咳き込む本体の及川とは対照的に、偽物は余裕の笑みさえ浮かべて宿主を振り返った。
ヴァンデモン[ここまでご苦労だったな]
まさしくドッペルゲンガーでも見たかのように愕然とする及川に、及川の形をしたヴァンデモンは冥土の土産とばかりにペラペラと語った。
ヴァンデモン[ああそう言えば、暗黒の種、あれがバリアの働きをすると言うのは嘘だ。本当は俺の餌だ、俺が生まれ変わるためのな]
及川「何…!?っう、ぁ…!」
及川は呻き声を上げて地面に倒れこむ。
ヴァンデモンはその姿を一瞥すると、今度は子供達に向かって歩き出した。
ヴァンデモン[心配するな、殺しはしない。先に暗黒の花を貰ってから…。]
賢「そうはさせないぞ!!」
ヴァンデモン[ほら、何をしている!!]
アルケニモン[は、はい!!]
中身は別人にも関わらず、ヴァンデモンに指図されて慌ててアルケニモンとマミーモンが彼らを迎え撃った。
パートナーを進化させていなかった大輔達は咄嗟に回避。
アルケニモン達の攻撃は続き、ヴァンデモンは花を刈る。
ブイモン[邪魔だああああああ!!]
ブイモンが力を解放してアルケニモンとマミーモンを吹き飛ばす。
そしてヴァンデモンを向いたが遅かった。
ヴァンデモン[もう済んだよ。さてと、食後の運動といくか]
前かがみになった偽物の及川の背中が、突如として不自然に膨らんだ。
ティアナ「ヴァンデモン?それともヴェノムヴァンデモン?」
ベリアルヴァンデモン[そのどちらでもない!!ベリアルヴァンデモンと呼んでもらおうか!!]
何かと思えば、ベリアルヴァンデモンである。
大輔達の視線は極度に冷えていた。
最早、大輔達にとってヴェノムヴァンデモンもベリアルヴァンデモンも簡単に手に負える相手である。
しかも暗黒の種の力に頼り切った姿に更に視線が冷えていく。
ベリアルヴァンデモンは視線を巡らし、いきなり棒立ちのアルケニモンを手のようなもので掴み上げた。
アルケニモン[な、何をなさるんです!!?私はあなたの僕!!]
ベリアルヴァンデモン[俺が何をすると思うか、考えてみろ]
恐怖と混乱でぐちゃぐちゃになったアルケニモンの思考を読み取る。
ベリアルヴァンデモン[なるほど、それも楽しいな]
ベリアルヴァンデモンの表情を見て、ブイモンは何を仕出かすかを悟り、どこか憎めない馬鹿2人を助けるために動いた。
ブイモン[ブ
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