第百六十四話 外道
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役割を果たすという暗黒の種を、子供達に植え付けたというわけさ。そして今日、俺は生まれて初めてデジタルワールドのゲートを潜るんだ。この日を、どんなに待ち侘びたことか…!!」
及川はそこまで言うと俯いて肩を震わせる。
そして次の瞬間には声を上げてわんわんと泣き始めたのだ。
ギンガ「…泣いてる?」
アルケニモン[どうしましたボス!?]
及川「だって夢が叶うんだよ?浩樹君、君が生きていたら誘ったのにごめんよおお…!!」
本当に及川は涙を流している。
そのことに驚いていると、及川はコロッと泣き止んで子供達の方を振り返った。
及川「さあみんな!一緒に歌おう!行こう♪行こう♪デジタルワールドに♪」
及川が突然そう歌いだせば、子供達も真似をするように同じ歌を歌いだす。
大輔達が身構えた瞬間、ゲートが開いた。
そして及川達がゲートを潜っていく。
なのは「追い掛けよう!!」
大輔達も及川達を追いかけるためにゲートを潜った。
ゲートを潜った場所はまるで玩具箱をひっくり返したような世界だった。
及川達の元に辿り着くと、辺りを見回す。
なのは「ここどこ?」
プロットモン[デジタルワールドじゃないわ]
ブイモン[大輔、ここ…]
大輔「ここは“想いを具現化する世界”だ。」
及川「何だと!?じゃあここはデジタルワールドじゃないのか!!?」
大輔「デジタルワールドに近い世界ではあるけど、厳密には違う世界だ。」
及川の問いに大輔は答える。
“想いを具現化する世界”はデジタルワールドの根底にある世界ではあるが、デジタルワールドではない。
及川「〜っ!俺はデジタルワールドに来たかったのにいいいいいいい!!!」
及川が頭を抱えてそう叫ぶ。
『忘れろよ、デジタルワールドなんか』
その直後、突然頭上に大きな口が現れた。
その口は紫色の唇で、鋭利な牙も持っている。
『もっといい世界がある。ここさ。偶然辿り着いた場所だが、こここそ俺が願っていた世界』
及川だけに見えている訳ではなさそうで、固まった子供達は恐怖に震え、大輔達は鋭く睨み据えた。
『怖いか、そうか。この世界に迷い込んだ者は、仲間が生きながら闇に食われる事に恐怖し、自分も逃げられない事を知り絶望する……』
及川「……俺の声みたいに聞こえるが、空耳か?」
大量の汗をかいた及川が、瞳に恐怖の色を映して言った。
すると口は口角を吊り上げた。
『空耳じゃない、俺はお前だ』
及川「どういう事だ!!?」
『3年前、俺は探していた。データとなった俺が生き
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