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真ゲッターロボ・地球最凶の日 第一部「滅亡への夜明け!」
第九話「錚々たるゲッター」
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「んだよ……あんなに強く叩くこたぁねーだろ?」
手形のついた頬に手を添えながらユウヤはトボトボと歩いた。しかし大抵は、彼への自業自得である。
ユウヤは演習で疲れた体をいやすべくシャワールームへと足を運ぶ途中、通路内で偶然にも唯衣と出くわした。
「お疲れ様です!中尉……」
試験パイロットとなった自分の上司と言う意味で一様部下としての態度を見せて敬礼を向けるが、彼女から帰ってきた言葉は意外なものだった。
「君には失望したよ。ブリッジス少尉……」
「な、何だと……!?」
立ち止まることなくその一言を言ったまま通り過ぎた唯衣の態度をよしとしないブリッジスは彼女の後を追いながら理由を尋ねる。
「おい、待ってくれよ?中尉……失望したってどういう意味だ?」
「……」
突然態度を変えたユウヤに唯衣は立ち止ると彼へと振り返った。
「場をわきまえろ?私はこの通り若くとも、貴様の上官だ……」
「そんなことはどうだっていい!」
「……?」
「俺の操縦は、アンタらが言うように無茶ぶり立ったろうさ? だがな、それが俺のスタイルっつうもんなんだよ? もし、アンタが気に入らないっつう点があるなら俺に何が足りないのかを教えてくれたっていいじゃねぇか? 真っ先に失望したって言われると、マジで腹が立つぜ?」
「ほう?それが、元トップガンともあろう者の言い訳だというのか?」
「あ、あのな……!?」
失礼な態度をとり続ける彼女にユウヤは拳を震わせる。
「とにかく、貴様には一日でも早く不知火の操縦技術を身につけてもらう」
「て、テメェ……それなら上官としてアドバイスぐらい寄こせよ!」
「エースである貴様が、教えをこうとは……見苦しいぞ?」
「……ならいいぜ!そこまで言うなら、自力であのじゃじゃ馬欠陥機を乗りまわしてやるよ!?」
「フン……」
唯衣は鼻で笑うかのようにそっぽを向いて去って行った。
「くそ、あの雌犬ジャップが……!」
堪忍袋の緒がはち切れそうなユウヤはぐっと怒りを抑えていた。

夜更け、ユーコンの屋上で星を眺めていた紅牙はふとつぶやいた。
「嵐が来るな……?」
しかし、夜空は星で一面に輝いている。いや、天候のことを言っているのではない。今日彼と出会ったネオゲッターのパイロットで、XFJ計画の試験パイロットでもある青年、ユウヤ・ブリッジスのことだ。彼から自分と同じ匂いを感じたのである。同種の匂いを。



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