第二十六話
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
もってっちゃってたから…久遠、死にそうに…なって…た」
恐らく俺がでぶっ飛ばした時に強制的に剥離された祟りが最大限生き残ろうと久遠から生命エネルギーを搾り取ったのだろう。
「そう。久遠は未だ人間を恨んでいる?」
この質問は俺が久遠の過去を知識として知っているからの質問。
昔、大好きだった人間を殺されたからその復讐に大量の人間を殺してしまった祟り狐であった久遠。
その恨みはどれほどの物か。
しかし今この現代に置いてそんな事は許されないし人間への復習をさせるわけにも行かない。
「……」
押し黙ってしまった久遠。
「そうだね。すぐには無理だよね。でも少しずつで良いから人間の事も好きに成って欲しい」
俺は説得なんて苦手だから、ダメならば久遠に『命令』しなければ成らないのだけれど。
「……わか…った」
しばらく言葉を発さなかった久遠が弱弱しく了承の言葉を発した。
俺はそれを受け取ってから久遠を抱き上げて立ち上がり、母さんの方へと向う。
「久遠、これから母さんの所に行くから」
ビクッっと一瞬震える久遠。怪我をさせてしまったことを後悔しているのだろう。
「大丈夫。ちゃんと謝れば許してくれるから」
「ほん…とう?」
「本当」
その後俺と久遠は母さんのところに行き久遠がこれから人を襲うことは無いように説得したと説明し、久遠は傷つけた事をあやまった。
狐が喋り出した事も母さんは特に気にした様子も無く謝罪を受け入れ、今日はもう日が暮れない内にベースキャンプをたたみ、ふもとの村で一泊して海鳴に帰る事になった。
勿論使い魔となった久遠も一緒に。
あー、那美さんの養子フラグを叩き折ってしまった俺…
だ?大丈夫だよね?
もはやどうしようも無いけれど…
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ