第二十六話
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ればそれは最終手段にしたい。
出来れば久遠を殺したくはないし。
そういえば写輪眼ならば妖狐である久遠を操る事も可能なのではないか?
生死の場面でぶっつけ本番で効果があるかも解らない事は出来ないので却下。
ならば後は一つ。
魔力ダメージでぶっ飛ばす!
非殺傷設定も付いているから気絶はしても命の別状はない…はず。
俺が思考している間に久遠は一度距離を取り体内の魔力をかき集めているような仕草を見せる。
「ぐるぅぅぅぅぅ。くおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおん」
力強く鳴きながら天を仰ぐとそこから極大の落雷が俺達に襲い掛かる。
「うそぉぉぉ!」
「あーちゃん」
母さんが俺を守るように覆いかぶさる。
母親として子供を守るのは嬉しいのですが、今は邪魔です。
俺は母親に押し倒されてしまっている。
マズイ想定外の攻撃にプロテクションにひびが入る。
『ロードカートリッジ』
ガシュガシュ
二発の薬きょうが排出されてプロテクションの強度が跳ね上がる。
鳴り響く豪雷。
永遠とも思える光の瞬きが収まると、丁度プロテクションが切れる位置からの地面が焼け焦げ抉れていた。
何とかプロテクションは抜かれる事は無く耐え切ったようだ。
久遠を見やると今の一撃は自身の身にも堪えたのか、少しよろめいている。
今しかない!
俺はそれを見て取ってすぐさま母親の下から抜け出した。
そしてソルを構える。
『リングバインド』
現れる銀色の輪で久遠を拘束する。
「がうっ」
何とかそのバインドから抜け出そうともがく久遠。
「少し痛いかもしれないが我慢してくれ」
『ロードカートリッジ』
排出される薬きょうは二発。
俺は左手を突き出す。
左手に集まる魔力を炎熱と雷に変換して久遠目掛けて射出する。
「ディバインバスター」
俺が魔法を勉強し始めてから作り出した中〜長距離用の砲撃魔法。
名前はなのはのを丸パクリだけどね。
俺が放ったそれはバインドから抜け出せない久遠を直撃する。
瞬間なにやら断末魔の様な叫び声と共に久遠からなにやら黒い靄のような物が抜け出ていき炎に包まれ焼き尽くされた。
砲撃をやめバインドを解くとそこには一匹の子狐が横たわっていた。
どうやら上手く行ったらしい。
それにしてもキツイ。
初めてカートリッジを連続ロードした負荷が未成熟な俺の体を痛めつける。
「殺したの?」
倒れている久遠を見つけた母さんが俺に尋ねる。
「多分死んでないと思う」
一応非殺傷設定だったし。
「そう。でもまた人を襲う可能性は有るのでしょう?」
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