第5話――始まりのクエスト
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ます。町長のランデルと申します。
いやぁ、コハクさんに会えるとは嬉しい限りですな。週刊ソーサラーで見て会ってみたいと常々思っておりましたとも」
乱暴者の集まるフェアリーテイルは良くも悪くも週刊ソーサラーで取り上げられる。
その中でも5人しかいないS級魔導士であり、異質なコハクは結構取り上げられる。
そのなかにはコハクにとって恥ずかしいことが沢山書かれているので困ったような笑みを浮かべる。
「あははは、それは……ありがとうございます……」
「こう言ったのは馴れませんでしたかな」
少し申し訳なさ気に町長は訊ねた。
どうやら、自分がどれほど膝を乗り出しているのか気づいたらしい。
「はい。まぁ……」
隠すこともないと思ったので、困ったような、照れたような笑みを浮かべる。
「これは申し訳ないことをしました。あぁ、どうぞ。お座り下さい」
「はい」
ランデルに促され座り、ランデルも腰を下ろす。
すると、部屋に控えていたメイドがランデルの分の紅茶とコハクへのお代わりを用意し、静静と部屋から下がっていった。
「どうぞ。お飲みになって下さいな。この辺りでとれた茶葉で作ってるんですよ」
「そうなんですか。茶畑まであるんですね」
流石はセレブの避暑地。
大抵のものは付近で揃えられるようだ。
「はい。私はこの紅茶の味が好きでしてね。1日に10杯は飲むんです。
特に夜寝る前に少し酒を混ぜて飲む1杯が格別なんですよ」
「そうなんですか?
僕も紅茶は少し嗜みますが、お酒をいれたことはありませんでした。
今度試してみようかな」
「お薦めですぞ。
まぁ、世間話はここまでにして依頼の話をさせて頂きます」
「はい。依頼書ではダイオウヒリュウバチの駆除でしたよね?」
ダイオウヒリュウバチとは兵隊バチですら体長約2メートルを超え、竜のような翼と鱗、蜂の腹のような尾を持ち雌だけでなく、雄でも毒針を持つ厄介なモンスターだ。
そして女王蜂を中心としたコミュニティーを形成し、雑食であるため、人や家畜、畑や森を食い尽くす本当に凶悪なモンスターである。
たった50匹のコミュニティーでも下位の魔導士ギルド一つ分くらいの戦力はある。
そして依頼書には最低でも400は超える規模のコミュニティーであると事前の調査で発覚していると書かれていた。
S級クエストを超えた文句なしのSS級クエスト相当である。
「はい。森の深くにいたらしく、発見がおくれまして……」
ランデルは苦々しく答える。
「かなりの規模らしいですね」
「はい……それで、本当にお一人でやられるつもりですか……?」
ランデルが感じてるのは不安。
ダイオウヒリュウバチ
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