第5話――始まりのクエスト
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何故、御者がブルーペガサス所属か訊いたのはエゼラメリナがブルーペガサスによく依頼をするからだ。
セレブの避暑地であるエゼラメリナは景観が壊れてしまうのを極端に嫌がる。
だから、あまり破壊をしないブルーペガサスによく依頼を指定するのだ。
依頼を指定する分少し依頼額が割高になってしまうので、あまり使われない方法なのだが。
「いえ、フェアリーテイル所属です」
「フェアリーテイルあんの、物をよく壊すとこだが!?
なんでそげなとこから来るん?」
そげなとこ、つまりはそんなとこ、から来るってフェアリーテイル悪評たちすぎだなー。
フェアリーテイル=物を壊すって等式が成り立ってるんじゃないかと、コハクは苦笑いをする。
「はい。フェアリーテイルだって壊さないこともできるんですよ」
たぶん、きっと、できるといいなぁと心の中で付け足す。
「そうだったんだか。
おんら、勘違いしてただ」
「あははは」
コハクは苦笑する。
勘違いじゃないと指摘するのは止めておいた。
否定したら負けなような気がしたからだ。何に負けるかわからないが。
「町長さんの家についただよ」
幌馬車がゆっくりと停まる。
そしてコハクは必要なものが入ったリュックを持ち幌馬車から降りて、ノビをする。
コキコキっと軽い音が鳴った。
「乗せて頂きありがとうございます。
それでは僕はこれで」
「元気にするだよ〜」
幌馬車から離れてペコリとお辞儀をすると幌馬車は再び進みだし、コハクは幌馬車が見えなくなるまで手を振った。
幌馬車が見えなくなるとコハクは町長が住む人が百人は入れそうな豪邸へと足を向け、歩く。
幌馬車は門のすぐ近くに止められたのでそれほど歩くまでもなく門までたどり着いた。
そこにはのんびりとした空気が流れていた。
時は暫くたち、コハクは家の応接室にいた。
待っていると、メイドらしき人が現れ、用件を伝えると、案内されたのだ。
落ちついていて華美でないインテリアがそこには置かれていた。
コハクは芸術に興味はないので価値は分からないが高価そう、とだけわかった。
メイドが淹れてくれた紅茶を一口。
茶葉自体が高価そうで、淹れ方も上手で、美味しいのだけれど飲み慣れないからか、違和感を感じる。
自分には勿体ない紅茶だな、と苦笑しつつ思うと扉が開いた。
そこから、少しポッチャリとした50くらいの男性が現れた。
質の良い服を着ているから、依頼人だろうと仮定する。
コハクは立ち上がり、頭を下げる。
「依頼を受けさせて頂いたフェアリーテイル所属のコハク・ナナシです」
「ほぉ、お初にお目にかかり
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