二話
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た
『第二皇女様が魔法の力に目覚めた』という事実はあっという間に国中に広まり、皆がステラに期待と羨望の眼差しがステラに注がれた。ステラ自身もこの力で、人々を守る魔導騎士になりたいという夢を持っていた
しかし、それとほぼ同時期にステラの全身から炎に包まれるという大事件が起こった
幸い、川の近くにいたため川に飛び込みすぐに消化出来た。だがこの事件がきっかけで世間の反応が変わっていった
『第二皇女様は能力が強すぎていつか自身を燃やし尽くす』とまで言われた事もある
父も母もステラの夢を応援する気になれなくなっていった。最近になって知ったが、もしまたあのような事が起きたら……という不安からだったそうだ
誰も手も、助けも差し伸べない。それでもステラは諦めなかった
(アタシにしか出来ないことを、この国を守っていくんだ!)
ヴァーミリオン皇国のように規模が小さい国は争い事で巻き込まれることが多い。国を守るためには強い力、魔導騎士のような存在に頼るしかない
その力に、目標のためにステラは力を使いこなせるよう何千回、何万回も練習を重ねた
何度も大火傷になり、挫けそうになった。両親に止められ部屋に閉じ込められたこともあった
そして三年かけて《レーヴァテイン 妃竜の罪剣》を自在に操れるようになり、伐刀絶技(ノウブルアーツ)《妃竜の息吹(ドラゴンブレス)》を習得できた
十歳を過ぎた頃、ステラに勝負を仕掛けてきた伐刀者がいた
『君は天才だ。しかし、私のような凡人でも努力をすれば天才にだって勝てる事を証明しよう』
勝負はステラの圧勝、しかも霊装を出すことなく終わった。敗れた伐刀者は悔し紛れに呟いて去って行った
『努力したのに、才能には勝つことができなかった』、と
まるで、天才に何をしても勝てないというように
「そんな言葉……どうせ負けたら言い訳に使うに決まってるわ」
「言い訳?」
ステラの言葉に首を傾げる神
その直後だった
『ステラ・ヴァーミリオンさん、天地神君。入場して下さい』
場内アナウンスが行われ、入場を促される
「さて、行くか」
神はそう言うと入場口まで進んだ
「来た!皇女様よ!」
「素敵な髪の色……綺麗ね……」
「あれが天地君……?見たことないわね」
ステラの赤い髪に魅せられる者がいれば、神を見る者も。
因みに審判は理事長が担当することになっている
選手の二人は闘技場の真ん中の方へ歩き、二人の間は約二十メートル空いており間合いも遠い
観客席の最前列に待機していた理事長は席を乗り越え、二人の直線上より少し離れた位置まで近づく
「ただいまより模擬戦を始める。双方、デバイス 固有霊装を《げんぞう
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