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歌集「春雪花」
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 楽しみは

  恋し心に

   なかりける

 冬の芒と

    同じなりけり



 楽しみなぞ恋をすれば無いも同じ…。いつも何かに怯え、想うことに疲れはてる…。
 心はまるで…枯れ果てた冬の芒と同じ…。

 倒れたその身に雪が降り積もる…。

 侘しいばかり…。



 想うほどに

  擦れて散りゆく

    わが心

 いずれは痛み

    忘るものかな



 彼を想うほど、心は淋しさと切なさ…それらの痛みに堪えかねて摩耗してゆく…。
 完全に摩耗してしまえば…この痛みは無くなり、忘れることが出来るのだろうか…?

 君のことさえ…。




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