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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
後日談1 ゆりかご事件の裏で………
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だけのユートピアを作りましょう!!』





「!!?」

ふと気が付けば秋の陽気に照らされ、眠っていた様だ。

「嫌な事を思い出してしまったな………」

それはこの世界に来る前の仲間の言葉。最初こそ共に居られて頼もしく、自分にとっても欠かせないっ人であったが、その性格、そしてその思考に、自分の記憶からくる理性が耐えられなくなった。

「だからこそ俺は逃げ出した………01、彼女は今どうしているだろうか………?」

離れて良かったと心から思えるが、狂っているとはいえ、彼女はかけがえのない仲間の様な存在。
せめて連絡位取れる様にしておけば良かったと思ったが………

「大丈夫よ02。私に不可能は無いの」
「!?」

後ろから声を掛けられて、飛び上がるようにベンチから立ち上がった。

「0……1………?」
「久しぶり02。駄目じゃない、勝手に未完成の転移装置を使って………お蔭で探すのに苦労したでしょ?」

紫の髪を無造作に伸ばした少女は狂気じみた笑みでそう優しく声を掛ける。

「何で………ここが?」
「私の造った物なんだから分かるに決まってるじゃない。それよりも………」
「がっ………!?」

そう言葉を切ってコウの首を掴む少女。

「どうしてあんな真似をしたの?私がどんなに心配したか分かってるの?」
「あ……ぐ………!!」

掴まれた手を解こうと相手の腕を掴むが、その手の力にびくともしない。

「何が不満なの?02が望めばどんな事もしてあげるのに………」

そう言って更に力が加わる。

「ぐ………!ぐ………!!あ、あ………」
「何?何か言いたいの?」

今度はコウの言葉を聞こうと最初に掴んだ時よりも少し弱めに力を解く少女。
コウはその隙を見逃さなかった。

「あ、IS、質量転移!!」
「!?」

そう叫んだ瞬間、ベンチが消え、少女の真上に一瞬の内に現れた。

「ふん………!」

しかし少女は微動だにせず、そのベンチを片手で払いのけ、ベンチは直ぐ近くにあった木に叩き付けられた。

(今!!)
「きゃ!?」

コウは少女の手を今度こそ払いのけ、足払いをし、転ばせた。

「もう、何を………!?」

尻もちをついた少女だったが、その少女に追い打ちをかける様に上からゴミ箱、自動販売機、更には小さな遊具まで降り注いだ。

「えっ………」


遠巻きで見ていた子供や大人達もあまりの現実離れした光景に言葉が出ず、固まった。
そんな中、コウだけはその場から走りさる。



暫くその場には静寂が包み込んだ………

















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