暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
逃走
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で走る交通機関は徐々に衰退してきている。どうやら普通に化石燃料を消費するタイプの、しかも小型とはいえ船を運転できるなんて。
いくら
仮想体
(
アバター
)
の見た目が現実の実年齢に無関係とはいえ、大抵の人はその言動からなんとなく察せられるものがある。自分たちとほぼ違わないような気がする二人は、いったい現実では何をしているんだろう。
ユウキの問いに、少しだけ目を逸らしながら、しかしこの少女にしては明確な自信があるようにミナは頷いた。
「た、たまにクエストとかで必要になることがあるから……。《操縦》スキルとってるの。他には、《
軽業
(
アクロバット
)
》とか《
懸垂下降
(
リペリング
)
》とか《遠泳》とか《
登攀
(
クライミング
)
》――――」
「ぅおい!人に自分のスキル欄暴露してる暇あったらとっとと行けぃ!!」
「へぶっ!?ご、ごめんリラちゃーん!」
容赦ない拳骨を振り下ろされた頭頂をさすりながら、ミナは涙目で甲板から操舵室に消えた。ほどなくして燃料エンジンがかかった重低音が足元から鳴り始める。
舳先に白波が立ち始め、大きすぎて縮尺が狂いそうになり始めている巨船《セントライア》から遠ざかり始めているのを教えてくれる。
「ふぅ、これで一安心かな……」
「ぐあ〜〜、やぁっと終わったぁ!」
ごろんと甲板に寝転がって腕を伸ばす少女に苦笑を隠せないユウキ。
「んでも、これで本番中の本番、目玉中の目玉の時間がやってきたわね!」
「本番?」
「山分けよ、や・ま・わ・け!」
人差し指をゆらゆらと動かしながら音高くそう宣言するリラに、操縦室の方向から悲鳴のような声が上がった。
「あー!リラちゃんズルい!私も私もー!!」
ミナの内心の不安を表すかのように、艇が不自然な横滑りをする。あの少女、主にメンタル面で操縦者には向いてないんじゃないのだろうか。というかしっかり運転してください。
一気にテンションがマックス状態になっている少女に、一人手すりに身を委ねていた少年は軽く笑った。
「あぁ、それなんだけど……僕達は自分の装備分を貰ったらあとはいらないんだ」
「え!?じゃああとの全部は……」
「リラねーちゃん達が使っていいよ、そのかわり――――」
そのかわり?と少しだけ警戒心をあらわにするリラに、レンは言葉を紡ぐ。
「この世界を案内してほしいんだ。あの
SBCグロッケン
(
街
)
無駄に広くて、すぐに迷いそうなんだよ」
「……え?そ、そんなことでいいの?」
ぱちくりと目を見開く少女に、しかしまだ少年はそれから、と声を重ねる。
「リラねーちゃん、僕達はここである大会に出るためにやって来たんだ」
「え、ちょ、レン!?」
勝手にシゲクニからの依頼の全容も喋ってしまい
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