第5話 妖精との出会い
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「大丈夫か、フィー?」
「リィン!」
……来てくれた、本当に来てくれた!!
「ごめんね、僕が目を離したせいでフィーを危険な目に合わせてしまった」
「ううん、わたしが勝手に行ったのが悪い」
「でもフィーが無事で良かった」
「あ……」
何でだろう、リィンに撫でられると胸がポカポカする。全然嫌じゃない、寧ろ暖かい……
「グルル……」
さっきの魔獣が起き上がりこちらを威嚇する。するとリィンはわたしを守るように奴の前の立ちふさがった。
「フィーは下がっていて、僕が奴の相手をする」
「でも……!」
「大丈夫、妹を守れなくちゃ兄として失格だろ?」
「……リィン」
そういって魔獣の刀を向けるリィンの背中は…何よりも頼もしかった。
「ガァァァッ!」
「お前の縄張りに勝手に入った僕たちが悪いのは分かる、それでもフィーを傷つけようとしたのは許せない!」
魔獣は咆哮をあげながらリィンに飛び掛る。
「焔ノ太刀!!」
リィンの刀が燃え上がり魔獣と交差した。
斬、斬、斬ッ!!!
「グォォォ……!」
魔獣は三回の斬撃を受けて地に伏せた。
「……ごめんね」
リィン、とても悲しそう、あの魔獣だって縄張りを守るために戦っただけ……それでも彼は優しいから心を痛めている。
「フィー、怪我はない?」
「うん。でもごめん、迷惑をかけて……」
「いや、僕も不注意だった、君だけのせいじゃないさ」
「でも……」
俯くわたしにリィンはポンッと頭に手を置いた。
「僕たちは家族なんだ、助け合うのは当然さ」
「助け合う?」
「そうだよ、君が皆の為に動きたいのは分かる、でもフィーばかりが頑張っていたらいつか倒れてしまうだろ?皆、フィーに甘えて欲しかったんだ」
皆がわたしに……
「でも分からない、甘えるってどうすれば……」
「簡単だよ、フィーがして欲しいと思ったことは言えばいいし、言いたいことを言えばいい。我慢しないで自分に素直になればいいんだ」
「……自分に素直になる」
リィンはわたしを抱っこする。
「さあ帰ろう、皆待ってるよ、フィーのことを」
「……?」
ーーー 西風の旅団 アジト −−−
『お帰りなさい、フィー!』
「うわぁ……!」
アジトに戻ったわたし達の前に現れたのはいつもとは違う綺麗に飾り付けされたアジトだった。これは?
「どや、驚いたやろフィー、これ皆フィーの為に用意したんやで」
「私の為に……」
「皆が準備したんだ、お前の歓迎会がしたいってな」
わたし
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