彼の為の優しい鎖
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いから今はまだいい。後で思い知らせてあげましょう。それより、可愛い二人に聞いておきたいことがある。
「季衣、流琉。酒瓶だけ並べて少し話をしましょう」
言いながら、床に座る身体を少しだけ横にずらした。騒ぎ始めた秋斗や春蘭達を放っておいて。どうやら声さえ聞こえていないらしい。
「うにゃ? ボク達に?」
「ええ。春蘭と秋蘭に連れられて来たわよね? 私か秋斗、もしくは二人共に話したいことがあったんじゃないの?」
「あ……」
「忘れてた! ご、ごめんなさいっ」
「ふふ、今の時間が楽しいということね。気にしなくてもいい。いいことよ、それは」
飲み比べをし始めた三人はもう放っておく。
季衣と流琉は、自分のことを忘れるくらいに楽しんでいたのなら、それはそれでいい。ただ、話しておくのは今。春蘭達三人が完全に酔う前でなければならない。
何故、この二人が春蘭と秋蘭に並んで私と秋斗の側に来たのか……官渡の前の彼女達との差異が、そうさせたのだろう。
澱みか、はたまた決意か。少し成長したであろうこの二人は、きっとそれを確かめたいのだ。
当てられて驚いた流琉と直ぐに謝った季衣。どちらも変わらないように見えるけれど、官渡の戦で思う所があったはず。
幼いからこそ成長が早く、彼女達とてバカでは無い。周りから吸収出来るモノを多く取り入れて、自分達の持ち味を生かせるように伸びて欲しい。
「話してみなさい。私でよければね」
「「ありがとうございますっ!」」
元気のいい返事に少し気配が変わる子が一人。近くに居た凪が、こちらの様子を気にしている。聞こえたのだろう。季衣と流琉の成長が、強くなりたいと望む彼女としても気になるのだ。
別に気にせず来ればいいのに。
「凪。あなたのソレは美徳だけれど、この場は堅苦しくなくてもいいと秋斗達が証明したはず。席の移動くらい好きにしなさい?」
「あ……は、はいっ。季衣、流琉、私も聞かせて貰ってもいいだろうか」
「全然いいよー♪」
「お気になさらず」
言えば彼女は驚きながらも立ち上がり、二人に断ってから季衣の隣に座った。
真桜と沙和は……月と朔夜と一緒に、話に夢中なようね。十中八九秋斗が贈ったあの銀細工のことでしょう。
折がを見て回りを把握してみたけれど、本当に皆が好きなようにしている。纏まりずつで何かしら話ているらしく、それぞれから楽しそうな声が絶えない。
軍師達の歓談は雛里と詠を中心にして。咲かせる話題には事欠かないに違いない。
霞は……ああ、やっぱり秋斗達の所に行ったのね。凪はあまりお酒を飲まないから、仕方ないか。
さて、と一息ついた。
こちらはこちらで話をしよう。
「華琳様、おかわりどうぞ」
「ふふ、ありがとう」
流
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