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ミョッルニル
7部分:第七章
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いく。そうしてその中で事切れてしまったのだった。ゲイルレズの最期だった。
 しかしこれで話は終わりではなかった。主を倒された巨人達がいきり立って声をあげるのだった。
「おのれ、よくも!」
「雷神め!」
 それぞれ剣や槍を手にしている。それで何をしようというのかは言うまでもなかった。
「ゲイルレズ様の仇!」
「生きて帰れると思うな!」
「さて、トールよ」
 ここでロキが悠然としてトールの横にやって来た。シャールヴィも一緒である。
「ここでだぞ」
「そうか、遂にだな」
「トール様」
 シャールヴィはにこりと微笑んでトールの顔を見上げてきた。
「ではいよいよ」
「頼むぞ」
「あいつはミョッルニルを持って来てはいない」
「力帯もな」
 巨人達はそう思っていた。そもそもこれが彼等の策略だから当然である。トールがどういった性格か把握して仕掛けているのだ。

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