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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第九十八話 新たな魔術師の才能
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み寄ってきた少女が自分自身が浮かべたことが無いような獰猛な笑みを浮かべる。
笑みを浮かべた口元から覗くモノにもはや否定したくても、否定できなくなっていた。
「ようやく認めたね。
言ってみて、答え合わせをしてあげる。
私とワタシ、何が違うのか」
「…………赤い瞳と牙、吸血鬼としてのワタシの姿」
満足そうに頷く少女。
「私が恐れて受け入れたくないワタシ。
そして、私が望む力を持つワタシでもあるんだよ」
赤い瞳をした少女の言葉に目を丸くする少女。
「選ぶ時よ。
力を取るか、捨てるのか」
突きつけられた選択に少女は息を呑む。
考えられない。
否、考えないように意識しないようにしてきた。
自身の血にある吸血鬼としての力を。
恐れてきた。
人ではなく化け物である自分自身を
目を逸らし、逃げてしまいたかった。
助けてと縋りたかった、受け入れてくれた最愛の人に
その時に思い出した。
あの人は『すずかが化け物のはずがない』とそっと抱き寄せ、優しく、ゆっくりと頭を撫でてくれた。
唇を重ねた時、驚きながらも拒絶することはしなかった。
ゆっくりと唇に触れるとあの時の熱が思い出すように熱くなる。
「答えは出たね」
穏やかな笑みを浮かべる赤い瞳の少女。
「うん、行こう。
あの人の所へ」
少女が手を伸ばし、赤い瞳の少女がその手を握り締める。
それと同時に赤い瞳の少女はゆっくりと雪の結晶のようになり少女に取り込まれる。
少女は静かに伸ばした腕を胸に抱き、瞳を閉じた。
暗闇の包まれた寝室に眠る二人の少女。
その片割れ、金髪の少女と静かに唇を交わす者がいた。
ゆっくりと離れる唇。
それを名残惜しむように唾液の橋が架かり、切れる。
先ほどまで熱にうなされていた金髪の少女の呼吸は、落ち着きを取り戻していた。
熱にうなされ、望んだ水を水差しから与えたが少女は自身で飲み込むことは出来なかった。
故にその者は水差しの水を含み、口移しで与えた。
もっとも眠っていた少女の唇を奪う行為には違いないので、己の心にのみ秘めておこうと罪悪感の篭ったため息を吐きながら、少女の頭を撫でる。
そして、もう一人の少女の頭も同じように撫でる。
それだけでもう一人の少女も穏やかな表情を浮かべる。
その様子にわずかに安堵し、眠る二人の頭のせたタオルを冷やすべく置いておいた氷水の入った洗面器に手を伸ばすのであった。
夜は明け、寝室に眠る二人の少女の熱も下がり、日が高く上る頃
「おはよう、士郎君」
熱が下がった後も彼女達の傍にいた士郎に穏やかな声がかけら
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