5部分:第五章
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ち着く。だから何の不安もない」
「そうだったな。御前はそうだな」
ロキの顔も落ち着いたものになっていた・その顔でまたトールに述べる。
「山羊は御前の獣だからな」
「そういうことだ。さて」
ここでトールは部屋の中央に椅子を見つけた。古い小屋の中にあるとは思えないかなり頑丈そうな大きな椅子であった。トールが乗るのに相応しいものであると言えた。
「少し休むとするか。少し疲れたしな」
「そうだな。ではシャールヴィ」
「はい」
ここでロキはシャールヴィに声をかけた。彼もそれに応える。
「わし等も休むか。椅子を出すぞ」
「ありがとうございます」
ロキは魔術で二つの椅子を出しシャールヴィと共に座った。二人が座るともうトールは既にその大きく頑丈な椅子に座っていた。しかしここで異変が起こったのだった。
「むっ、これは」
「奴等また」
トールとロキは同じものを見てそれぞれ声をあげたのだった。
「仕掛けて来たか。だがこれはどういうことだ」
「ロキ様、これは一体」
シャールヴィも同じものを見ていた。驚きを隠せない顔でロキに問う。
「どういうことですか!?魔術でしょうか」
「間違いない」
ロキは今目の前で起こっているものを見つつ彼に答える。見ればトールが座っているその椅子が自然と宙にあがっていた。そしてそのまま天井に向かっていたのだ。
「奴等、このままトールを天井にぶつけて殺すつもりだな」
「まさかここでも仕掛けて来るなんて」
「やはりな」
ここではシャールヴィとロキの差が出た。策略を苦手とするトールの従者と歴戦の策略家で神々きっての悪戯者である炎の神の差が。
「だがどうやって仕掛けているのだ」
「わかりませんか?」
「トール、まずは踏ん張れ」
咄嗟にトールにこう伝えるのだった。
「今はな。いいな」
「うむ、わかった!」
トールもそれに応える。そしてすんでのところで天井に両手をついた。それでまずは踏ん張り危機を脱したのであった。
しかしまだ突き上げは来ている。トールはその自慢の怪力で踏ん張ってはいる。しかし危ないのもた事実で油断はできなかった。
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