暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
いざ、アルビオンへ
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ぇんだぞ。今更追いかける気も起きんわ。お前もアルビオンに行くならほとぼりが冷めてからにするんだな。」

「俺はもう帰る。」と言って、ヴァロナはゴーレムから飛び降りようとした。だが、それを「ま、待って!」とロングビルが止めた。何故か顔を赤くし、何やらモジモジしている。

「何だ?」
「そ、その・・・ありがとね。」
「はあ?」
「今までのことだよ。私が盗賊なんてものをやってるのをアンタは誰にも言わなかったし、それにそれを知っても私に変わらず接してくれて・・・。」

 常に皮を被り続けていたロングビルにとって、ヴァロナとの会話は本当に心地よかった。自分を偽る必要がなくありのままでいられた。また彼はロングビルが盗賊をやっているのを知っても周りに告げ口することもなく普通に接してくれた。それが嬉しかったのだ。
 だが、ヴァロナは「訳が分からん」と言いたげな声を上げ、言った。

「お前は勘違いをしているな。俺は他人の生き方なんぞ興味がない。学院長とかにお前のことを話さなかったのも言う必要がなかっただけ。他に理由なんているか。」
「・・・それでもだよ。一応お礼を言わせておくれ、ありがとう。」
「・・・ふん、よく分からん女だ。」

 そう言うとヴァロナは今度こそ振り返りゴーレムから飛び降りた。しかし、その際ぼそりと、それでもロングビルにはっきりと聞こえるように言った。

「まあ精々達者でやれや、『マチルダ』。」
「!」

 彼の言葉にロングビルは暫く呆然としていたが、

「ホントに・・・優しくない人だねぇ・・・。」

 と、呆れたように呟く。
 しかし最後に彼と話ができた。そのことを嬉しく思ってしまう自分を隠すことは出来なかった。

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