第二十話 日高大尉!居合もやるぜ!!その四
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「ちゃんと許可を得てからやれ!」
「くそっ、世の中世知辛いな」
「こうしたことも許可得ないと駄目なのかよ」
「ったくよ、折角宣伝したのにな」
「それもこれで終わりか」
「御前等は少しは心を入れ替えるのじゃ」
熊田さんはまだいた、それで二人を汚物を見る目で見つつ忠告した。
「そこまで腐った性根、親御さんは泣いておるぞ」
「おお、出たよ二・二六事件!」
「俺達は謀反人かよ!」
「俺達が何をしたんだよ!」
「正義の味方だろうが!」
「正義の味方はいいから早く退散しろ」
ここでまた言うお巡りさん達だった。
「さもないとトラ箱に放り込むぞ」
「酔っぱらい扱いかよ、俺達」
「酒は今は飲んでねえよ」
「それでトラ箱行きか」
「何かえらい扱いだな」
「わかったらさっさと消えろ」
見ればお巡りさん達は二人を囲んでいる、これ以上ごねれば本気でトラ箱に放り込むつもりであることは明らかだ。
「わかったな」
「ちっ、じゃあな」
「今回は帰ってやるぜ」
「それで許可を得てからな」
「宣伝だ」
「許可は出さないからな」
即座に来たこの返事。
「何があろうとも」
「ああ、そうかよ」
「じゃあその理由何だよ」
「正義の味方の宣伝邪魔する理由な」
「それ何でなんだよ」
「御前等だからだ」
実にあっさりとした返答であった。
「こうして騒ぐだけに決まってるからな」
「ああ、そうかよ」
「もう俺達であること自体がアウトかよ」
「もうノーマみたいだな」
「それレベルの扱いだな」
「ノーマ差別は醜悪な偏見だが御前等には今がある」
今のその宣伝活動がというのだ。
「ただの騒乱行為だからだ」
「くそっ、つくづく俺達人気ねえな」
「ビラも誰も受け取ってくれないしな」
「これじゃあ宣伝も難しいな」
「俺達のよさのアピールもな」
「難しいぜ」
こう話す二人だった、そしてこの場は退散した。そのうえで変身を解いて悪田部の事務所に行ってだった。
その悪田部にだ、こう言うのだった。
「世の中間違ってますよね」
「おかしいですよ」
「ヒーローが嫌われるって」
「何でそうなるんですか」
「俺達正義ですよ」
「何で正義が嫌われるんですか」
二人はこう不平を言い続ける。
「卑怯だの卑劣だの」
「勝てば正義だってのに」
「この不条理な世の中」
「何とかなりませんからね」
「世の中は不条理なものだ」
悪田部は不平を言い立てる二人にこう返した。
「君達が嫌われようともだ」
「そうしたこともですか」
「あるんですか」
「正義の味方が嫌われるってことも」
「あるんですか」
「そうだ、私も常に刺客に狙われている」
悪田部もまた然り、というのだ。
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