sts 05 「個別指導開始」
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設置しておいた攻撃用のスフィアが発光する。攻撃を準備している合図だ。
スフィアの放った射撃は低速で直線的。機動六課内でも最速の移動速度を持つフェイトが当たるはずもなく、軽やかなステップで回避する。まあここで当たっては手本にならないのだが。
「こんな風に……まずは動いて狙わせない」
動き回るフェイトをスフィアが追いかけるが、設定が低くしているため動きは遅い。これでは説明が進まないため、彼女は障害物の前でわざと止まってスフィアに標準を定めさせる。
「攻撃が当たる位置に長居しない」
そう言ってフェイトは、攻撃をギリギリまで引き付けてから簡単に回避して見せた。動きを分かりやすく見せるために回避を遅らせたのだろうが、射撃の弾速次第では今のようなことはできない。だが誘導性がある場合は早めに動くのが悪手になることもあるため、見切りのタイミングが重要になる。
「これを低速で確実にできるようになったら……少しずつスピードを上げていく」
フェイトの言葉に連動してスフィアの射撃精度や弾速が上がっていく。だが危なげない動きで彼女は回避を続ける……が、スフィアの囲まれてしまった。スフィアはタイミングを合わせ集中砲火を仕掛ける。無数の射撃が着弾し土煙が舞い上がった。
「「あっ……!?」」
エリオとキャロはほぼ同時に声を上げた。フェイトの身を心配したのだろう。
ふたりはフェイトの動きを追えていなかったようだが、着弾する寸前に高速移動魔法を発動させて動き出すのが見えた。ふたりの背後に移動するのは性質が悪いとも言えるが。
「こんな感じにね」
「え?」
「……あっ」
背後に立っていたフェイトに気が付いたふたりは、先ほどまで彼女が立っていた場所に視線を戻す。土煙が晴れると、えぐられた地面が姿を現した。
それは射撃の着弾視点からフェイトの立っている場所までU字のように出来上がっている。これもエリオ達に動きの軌道を見せるためにわざと作ったのだろう。
「す……すご」
「今のもゆっくりやれば誰でも出来るような基礎アクションを早回しにしてるだけなんだよ。スピードが上がれば上がるほど、勘やセンスに頼って動くのは危ないの」
言っていることは最もであるが、フェイトほどの速度で動ける人間はそういない。今のエリオやキャロからすれば、現実味をあまり感じられない言葉だろう。だからといって信じないような真似はしないだろうが。フェイトとの間には確かな絆が結ばれているのだから。
「ガードウイングのエリオはどの位置からでも攻撃やサポートが出来るように。フルバックのキャロは、素早く動いて仲間の支援をしてあげられるように。確実で有効な回避アクションの基礎をしっかりと覚えていこう」
微笑みかけるフェイトにエリオ達は元気
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