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心を閉じた少年
番外編
過去編 1 

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僕は、気が付くと言葉が喋れる位に育っていて、何処かのゴミ箱にいた。
・・・血塗れの女性に抱擁されて。
その人は笑顔でこう言った

「生き・・るのよ・・・私の可愛い・・・・・・・」

その言葉を最後に、女性は息絶えた。
僕は、その女性をお母さんだと知ってただただ泣いた。
何時間、泣いただろうか、何時間、母を力のある限り抱きしめただろうか・・・
それでも、母さんは返事をしなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕は、ゴミ箱の中にあった布を巻き付けて食べ物を探した。
母はちゃんと埋葬した。

{?なんで埋葬なんて言葉知っているの?僕?}

その時、僕の頭の中に膨大な量の記憶が見えた。
僕はどうやら本来は10%しか使えない脳を100%使ってもなんとも無いようだった。(流石に100%を使い続けるのは無理のようだが)
僕は、全ての事を知った。

・僕は追われている
・僕は家族を全員失っている
・あの人は母で、僕の名前は柏木 彼方
・捕まれば実験台にされる
・ここはアメリカ
・僕はほとんどの国の言葉を喋れる
・僕には二重人格があって、その二重人格と共存している

ということをまとめながら、多くの人からの視線があった。
誰かわからない人が声をかけてきた。
どうやら家族連れのようだった。

「おう、少年!行くとこないなら家に来な」

{初めて会った者にこんな事がいえるのか?}

「あらあら、寒そうね・・・血まみれで、何があったのかしら?」

僕はそのこの言葉を最後に聞いて、空腹で倒れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「ん・・・?」

目を覚ましたのは、何処かの屋敷のようだった。

「ベルガ様、お目覚めになりましたよ」

「おう、メイドちゃん、お疲れ・・・っと、そんなに警戒しなくていいぞ?少年・・・なぜなら、お前は今日からここの家族だからな」

その大らかな男性はこの屋敷について話始めた。

・ここはラルウ家という有名な一家
・父はベルガ・ラルウ、母はベル・ラルウという
・ラルウ夫妻は僕の経緯を知っているらしい
・目の前にある契約書にサインをすれば、正式に僕はラルウ家の養子になるらしい

「で、どうする?少年よ・・・また、ゴミ箱に戻るのは嫌だろう?それに、少年が苦しんでいたら、母が悲しむぞ?」

その言葉を聞いて、母を悲しませたくない、僕を実験の道具にされるなんて嫌だと思い、すぐさま契約書にサインした。
こうして、幸せな時間が始まった。
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