暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜過ちを犯した男の物語〜
八話:雷光
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はしない。

 いや、出来ない。ユーノがなのはを何とかフェイトの元へと連れて行けないかと思考をめぐらし始めた時だった。重苦しい空気を破るかのようになのはの携帯が鳴る。なのははこんな時に誰だろうかと思いながらも携帯に出る。

「もしもし?」
『俺だ、なのは。ルドガーだ』
「ルドガーさん、今忙しくて話せそうにないから後で―――」

『今、ヴィクトルといるんだがフェイト達のことで管理局と話したがってる』

「え?」

 予想だにしない返事になのはが声を失い、それを聞いていたアースラクルー達が敵と思われる相手からの接触に騒めき始める。リンディはすぐさまエイミィに指示を出してルドガーの居る場所にモニターを出現させアースラからも見えるにする。

 すると、そこには仏頂面のまま携帯を握るルドガーと、一定の距離を保ちながら腕を組みルドガーを睨みつけているヴィクトルが立っている映像が映し出された。一目で険悪なムードだというのが分かる光景に思わず尻込みしてしまうリンディだったが状況が状況なので素早く動揺を隠してヴィクトルに話しかける。

「次元船アースラの艦長、リンディ・ハラオウンです」
『ヴィクトルだ。この度はこちらの申し出に要請に応じてくれて感謝する』
「いえ、こちらの方こそ態々の連絡、感謝します。それで、どういった要件なのかしら?」

 時間がないので挨拶もそこそこに用件を尋ねるリンディ。この時、彼女はヴィクトルの落ち着いた態度に話が通じそうな人間であると内心ホッとしていた。謎の多い人物だっただけに些細な情報でも欲していたのだ。唯一知っていそうなルドガーも何故か話したがらずに知り合いと言うだけだったのでアースラの中ではかなりの危険人物として扱われていたのである。

『要件というよりは忠告だ』
「何の忠告なのかしら?」
『フェイト達の元にそちらの魔導士を送るか、結界を張るかのどちらかをした方がいい』

 こちらが今どういった行動をしているのかを読んだ上での発言に彼はやはり侮れないと感じるが今はそれを案じる時ではないと判断して意識を戻す。

「それはどういった理由なのかお聞きしても?」
『フェイトの行動が無茶なのはそちらも分かっているはずだ。一人でのジュエルシードの封印は不可能に近い。現在はアルフの結界で外に被害は及んではいないがそれが無くなればどうなるかは分かるだろう?』
「……この町に被害が及ぶわね」
『そして、アルフにはフェイトが本当に危険な時はジュエルシードの暴走を放置して帰れと言ってある。勿論、結界も解くだろう。そうなればあなたの危惧する事態が容易く引き起こされるとは思わないかね?』

 食えない男。それがたった今リンディの中で固定化されたヴィクトルのイメージだった。管理局が介入すれば彼等の目的である
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