八話:雷光
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るのだと信じて疑っていなかった。
「始めるよ、アルフ」
「わかったよ。アタシはもう、何も言わないさ」
力強く告げる自分の主にアルフも覚悟を決めて汗ばんだ手を握りしめる。彼女はフェイトには内緒であることをヴィクトルと話し合って決めていた。それは、フェイトが本当に危険な時はジュエルシードの暴走を放置してでも連れて帰るという物だった。
勿論、当初はジュエルシードの暴走を放置すれば最悪この世界が壊れると言って反対したアルフだったが、管理局が居る以上は放置しても彼等が勝手に封印してくれると言われて同意することに決めた。もっとも、決め手となったのはヴィクトルの『世界とフェイト。どちらの方が大切だ?』という問いかけだったのだが。何はともあれ、覚悟を決めた二人は無謀な賭けに挑んでいくのだった。
臨時局員として乗り込むことになったなのはとユーノ。因みにルドガーも緊急時は共に戦える許可を貰っていたが仕事があるために昼間は子供二人だけとなっている。そんな二人がのんびりと次元船アースラ内部にある食堂でお菓子を食べながら寛いでいた所に突如としてけたたましい警報の音が響いてきた。
二人が驚いて何事があったのかを知るためにブリッジに向かうとそこには既に大勢のアースラクルーが集まっていた。なのははその中からクロノを見つけ出し何があったのかと尋ねる。
「クロノ君、何があったの!?」
「モニターを見ればわかる」
それだけ言ってモニターを指差すクロノ。なのはとクロノが目を凝らしてモニターを見てみるとそこには荒れ狂う海に雷鳴の轟く空、吹きすさぶ風の中に見覚えのある少女が満身創痍の状態で嵐の中心にある幾つものジュエルシードを封印しようともがいている姿があった。
「フェイトちゃん!」
「あの量のジュエルシードを一人で封印するなんて無茶だ……」
なのはが叫び、ユーノは明らかに無謀な行動に無茶だとこぼす。
「リンディさん、私もあそこに行かせてください!」
「残酷かもしれないけどそれはダメよ」
取り付く島もなくバッサリと意見を却下されてしまったなのはだったが一度却下された程度で諦められる程、諦めの良い性格はしていないので再度リンディに頼み込むが今度はクロノに厳しい言葉をかけられてしまう。
「放っておけば確実におとずれる彼女の自滅を待つ。仮に自滅しなかったとしても、彼女が力を使い果たしてから叩くのが最も効率のいいやり方だ」
大計を考えればクロノとリンディのやり方が最も正しいやり方というのは分かるがなのははやりきれない想いに下唇をギュッと噛みしめて悔しそうに体を震わせる。そんな姿にアースラクルー達も複雑な気持ちになるが彼等はいい意味でも悪い意味でも大人になっている。それ故に誰もなのはを助けようと
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