第26話 Machination 5
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昼間のことである。
カズトに逃げられたラナが昼食を取っていると、ある人物が近づいてきた。
その人は、ニコニコと笑っていたが、どこか裏があるような笑みだった。
そして、彼女はラナにこう言ったのである。まるで、意図して言ったことではないかのように、サラリと言った。
「それにしても、あの一年生かわいそうね。サテライザーに良いように使われて。」
その言葉を聞いて、ピクリとラナは眉をひそめる。今、この人はなんと言ったのだろうか?
「それは、どういうことでありますでしょうか?」
その女曰く、サテライザーはこの学園でも屈指の実力者だという事。
曰く、接触禁止の女王として恐れられているという事。
そして、サテライザーが、その力と美貌で、アオイ・カズトを所有物としているという事。
だから、ラナは、その日の晩にこうしてサテライザーの部屋をしんにゅ……もとい訪ねたのだ。
「貴様……どうしてここにいる……」
「そんなに怖い顔をしないでほしいであります。少し、話があるだけでありますから。ね……」
サテライザーはボルトテクスチャを装着し、ラナの後をついていく。だが、油断などはしない。この女はカズトに手を出しかねない女なのだ。
そして、ようやく目的の場所。第一訓練所へと辿り着く。
ここは、主にパンドラ同士の戦闘訓練に使われている場所だ。
一ここで何をするつもりだ…?
そう警戒していると、ラナがニヒルな笑みを浮かべてきた。
「いつまで仏頂面を貫くつもりでありますか?」
「…………要件はなんだ……」
ギロリと睨みつけながら言うが、ラナ本人は素知らぬ顔で話を切り出す。
「いえいえ、簡単な話でありますよ。カズトくんのことであります。」
その単語に、ピクリとサテライザーの眉が反応した。
「どうして、カズトくんと洗礼をしないのでありますか?」
「………お前には関係のないことだ。」
バチリと、火花が散るように見えた。
「話は終わりか。私は帰る。」
イラつきながらサテライザーが踵を返すと、ラナがその歩みを止めるためにサテライザーの手を掴んだ。
「待ってください!まだ話は……!」
その瞬間、サテライザーの拳がラナの顔面にめり込んだ。とてつもない衝撃が襲いかかるが、負けじとラナもサテライザーの顔面を殴り返す。
「グッ……!」
「……ッフゥ。よくわかったであります。それが貴方のやり方なのでありますね……」
ギロリとお互いに睨み合い、殺意をぶつけ合う。
「私に、触るな…!」
「上等でありますよ。武器を出しなさいであります??」
二人は互いに気がついていない。
この戦いを、仕組んだ人間がいることを。そして、その人間が、この戦いが
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