SAO編−白百合の刃−
SAO23-冷女の温度
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を背負っている理由もないので、放り投げた。
「優しくとは贅沢言わないけど、もうちょっと置き方とかあるでしょうが! 雑に投げるな!」
でも、借りを作ったから弁償代はなかったことにしよう。
リズベットが文句言っているが、適当に流して洞穴から空を見渡す。まだ雪は降ってないが風が吹き、次第に荒れるような風を斬る高音が響き、風は吹き荒れてきた。
「ひゃあっ、な、なに……なんか聞こえたよ、ドウセツ!」
「なんでアスナが怯え…………あぁ、そうだったわね」
「な、なに?」
「いや、別に……幽霊なんかいないんだから、そんなに怯える必要ないんじゃない?」
「そ、そんなこと言ったって〜!」
「と言うか、幽霊怖いとか幼稚ね」
「だって怖いんだもん!」
「アスナって本当、幽霊とか怖い話とか駄目だよね……」
リズベットは呆れた顔をしていたがすぐさま、ひらめきを思いついてにやついた。
「アスナ……後ろに忍びよる、お化けが……!」
「やめて――――っ!!」
なんで、あんな簡単で幼稚な騙しに頭を抱えて怖がるのか? そんなに怖いのが駄目なら、あまりにもお節介された時は怖い話で払おうかしらね。
怖かっているアスナを置いて、リズベットは“気になった悲鳴”について、私に訊ねてきた。
「アスナが言っていたことなんだけど、なんか女の悲鳴が響いたんだけど、あれなに?」
「決まっているじゃない」
洞穴の外は既に荒れ狂うほどの恐怖が吹き、天と地面の雪が舞い散っている。見てわかる通りに、『デッドマウンテン』は猛吹雪に覆われている。
「うわぁ、いつの間に!?」
「時々、女性のような悲鳴が響くのは風の音よ。アルブスの住民から『女神の悲鳴』とも呼ばれているわ。なにが女神だかよく知らないけど」
「女神と言うより、雪女って感じしない?」
「しない」
「そうですか……」
女神だとか雪女の悲鳴だとか、どっちでもいい。もう一つの別の名で通称、『死の白銀』の方がお似合いかしらね。
猛吹雪の中、外に出ることは自殺行為。止むまで待ちましょう。
メニューウインドウを開いて、ランタンをオブジェクト化する。不気味な暗い洞穴の中は、明るいオレンジ色の光が照らし出す。
「料理ならアスナに頼みましょうね」
「あんたに同意するのはなんかしゃくだけど、そうだね。アスナ、温かいもの作ってよ」
「怖がらせた二人には作りません!」
アスナはランタンに近寄って顔を背けた。
貴女が勝手に怖かっていただけじゃない。そんな反抗的な態度にリズベットは悪だくみを浮かべる。
「作らないと、とびっ……きりの怪談話するからね」
「あるいは、恐怖の話でもいいわよ」
「わ、わかった! わかりました! なんでこう言う時に二人とも息ぴった
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