SAO編−白百合の刃−
SAO23-冷女の温度
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対して、今は誤魔化しのない、言わば心からの安心感から出る頬笑み。それはリズベットの中で不安が少しでも取り除いたことになるのだろう。
例外はいくらでもあるけど、私の目が節穴でなければ、リズベットは安心していた。私にはそう見えている。
それと同時に、ふと外を眺めていたら猛吹雪で覆われた景色が嘘のように降り止んだ。
「あ、止んだよ!」
「言われなくてもわかっている。アスナを起こして」
「ドウセツは!?」
「私は先に出るわ」
「え、ちょっと!?」
リズベットがなんかやいやい言っているが、そんな制止を振り払うように私は洞穴の安全エリアから出た。
見るだけで不安が過るような、覆われていた雲の姿など消え、満天の星空と月夜の光が雪山を照らしている。神秘的で美しい雪山と夜景のコラボセット。だが生憎そんなものに浸っている興味はない。
興味があるのは、月夜の光で影になっている素材を持つ『白い死神』しか興味がない。
「ありがとうね…………私には似合わないわね」
感謝を吐き捨てる自分がいた。
それでも、嫌ではない自分がいた。
リズベットに相談されて嫌じゃない自分がいる。
「私らしくないわね……こんなことを考えるなら、やっぱり一人で来たほうがよかったわ。
なんて、嬉しいという感情に振り回れそうな自分が嫌いになってほしかった。
「白い死神ね……そう言えば、昔そう呼ばれるプレイヤーがいたわね…………なんだから、私は白いのにやたら縁があるようだわ」
猛吹雪による強烈な前座が終えるように、満天の星空から主役が現れる。
それは私の目の前に舞い降り立ち『白い死神』こと白竜が登場した。
「やっと現れたわね。カタナの素材」
目的のために私はカタナを抜いた。
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