SAO編−白百合の刃−
SAO23-冷女の温度
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そんな、悲しい顔を我慢するように苦笑いで誤魔化したって、無理をしているって悟られるわよ。声だって、震えて今にも泣きだしそうな声しても自分は平気だと誤魔化しているの?
……そんなことわかっているなら。いや、わかっていたとしても、感情を上手くコントロールするのは難しい。そのまんま流されることだってある。だからリズベットは自分が抱え込んでいる不安なことを私に話した。そして、最後に私を困らせないように、流される感情を精一杯堪えて、謝った。
リズベットが言った通り、不安なんだ。恐れている未来が見えてしまいそうだから、そうなりたくないからなんとかして避けようとする。
でもね、どうしてだがわからないけど。不安な未来ほど、よく当たったりしてしまう。きっと不安から招いた結果が不安の最大限を招いてしまうからかもしれない。
誰だって悩みや不安などあって、それを避けるのに必死になったりなんとかして避けようとする人もいるだろう。
だからこそ。
「……それはしょうがないことじゃないの?」
リズベットが謝る必要はないと思うし、理解できないような話ではない。
「不安になることは誰にでもあることだろうし、別に謝る必要はないわ。それを私に話すことで、不安を和らいだかしら?」
「それは……」
「別にそれでいいのよ。抱え込んでいるままだと、自滅してしまうわ」
例えばこんな人がいる。何かに囚われ続けた一人は、それから逃れるように、でも逃げることも恐怖を覚えている一人は理由をつけて逃げようとしていた。誰かに助けを求めることなど許されないと思い込んでいた一人は、独りで不安や恐怖、負の感情を溢れないように精一杯抱え込んでいた。しかし、それらを独りで持ち続けることは良いことではなかった。重い物を持つように、自分の力で持ち切れなかったら台無しになってしまう。それと同じように、いつか台無しになって、後戻りができなくなってしまう。
それこそ、後悔であり。最悪一人の命が消えてしまうことだってあるだろう。
だからこそ、自分が抱え込んでいることを誰かに話すことは小さなことだけど、十分に不安から取り除くことができる。
「リズベットはどうしたいの?」
「ど、どうって……?」
「キリトに告白して恋人になりたいの? それともアスナに応援をするの?」
「それを訊いているんじゃ……」
「悪いけど私は人に恋なんてしたことない。言えることは後悔のないように気持ちだけでも伝えたらどうなのかってぐらいしか」
「それでいいのよ……もう……」
リズベットはクスッと微笑んだ。
「ありがとう……相談に乗ってくれて」
解決はできたかしら? リズベットはどう思っているのだろうか?
ただ言えることは、先ほどは私に遠慮して苦笑いで誤魔化そうとしていたのに
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