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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第1章生い立ち 幼年期〜青年期 そして入隊:第12同盟軍基礎訓練所での日々 前半
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は中隊長を務めていた。
飯はまずかったし、同期生との殴り合いのけんかも普通だったし、差別はもっと普通だった。
だが、そんな私にとって楽しみが一つだけあった。
それは、白兵戦訓練と格闘訓練だった。
父が銀河帝国軍装甲擲弾兵将校だったこともあり私にとって白兵戦で使うトマホーク・装甲服はあこがれの存在だった。
また、何よりも実力がものを言った。
「ガキーン!」
訓練用トマホークがぶつかり合う鈍い音がする。
何ともいい音である。
今組んでいる相手は
リスナー・ウィリス2等兵である。
さっぱりとした性格で、差別などの偏見もなく頭の回転の速い私の親友だ。
「ピーッ!」
相手側のヘルメット側面のライトが赤く光る。
訓練上ではやられたことを示すランプだ。
また勝った。
これで通算57勝目だ。
リスナー2等兵は白兵戦だけは全然ダメなやつだった。
「またやられたよー やっぱり強いなー」
「そんなことはないですよ。 リスナー2等兵は少しフェイントに対する攻撃が弱いです。そこだけどうにかすればいいと思います。」
と毎回アドバイスをする。
彼は律儀にこれを復習し、次に生かしてくるのでなかなか手ごわい相手になりうる。
「よし! 汗もかいたし、シャワーでも浴びて外に行くか!」
「そうですね、そうしましょう!」
 この友人はなかなか面白いやつで、きつい訓練でも能天気に吹っ飛ばしてくれるようなユーモアセンスの持ち主であり、すべての物事をノリで乗り越えるような彼が「外に行くか!」というときはたいていあの鬼軍曹に白兵戦技を習いに行く時なのだ。
私としては疲れ切っているので、何としても避けたかったが彼のノリの良さは尋常ではないのでそれに流されるしかなかった。
あの鬼軍曹に白兵戦を習いにくと思うと体から魂が羽が生えて飛んでいきそうだった隣では気分ウキウキで歩く親友を見ながら歩いていると一人の優しそうな顔をした軍曹が目の前に登場した
そう、あの鬼軍曹 ルイ・マシュンゴ軍曹が
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