閑話―荀ケ視点―
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だが我はそれを糧にして前に進む事が出来た。我に出来て桂花に出来ぬ道理は無い」
「私も……」
「何、それでも進めなければ我が引いてやる。安心するが良い」
「――いえ、自分で歩きます!麗覇様の荷物には、なりたくないですから!!」
「ならばよし!頼りにするぞ桂花」
「お任せください!」
………
……
…
―――好感度75%―――
「荀ケ様、武芸大会の会場ですが―――」
「それについては、此処に書いてあるわ」
「荀ケ様、各地域に宣伝用の掲示板、設置完了の報告がありました」
「そう、担当した人達に褒美を、あとで私も顔を出すわ」
「それはあいつらも喜びます!是非踏んでやって下さい!」
「するわけないでしょ!?いいから行きなさい!」
「ハッ、失礼しました!」
袁家に来て数ヶ月、最初は重鎮達に敬遠され孤立しがちだったが、彼等に当初の態度を謝り、対話を重ねることで打ち解けていった。
いまでは男嫌いは鳴りを潜め、兵達と冗談を言い合えるほどだ。
そして、一ヵ月後に行われる武芸大会の企画を進めていた彼女の元に、一人の兵士が飛び込むようにやってきた。
「荀ケ様!袁紹様がご乱心!!」
「あら、斗詩達は?」
「その顔良様からの救援要請です!」
「すぐに向かうわ!」
袁紹は政務などで鬱憤が溜まると暴走する癖があった。最近は桂花が補佐に入っていたためその回数は減っていたが、武芸大会を担当しているため政務の補佐まで手が回らなかった。
「ああっ、桂花さん、来てくれてありがとうございます!」
「ハァハァ……、れ、麗覇様は?」
「うぅー、あそこです」
「え?」
桂花の目に映ったのは、百は超えるであろう袁家の兵士達と、御輿の上に座り手を組みながら対峙する主の姿だった。
「……何よあれ」
「御輿部隊です……」
「み、御輿!?」
桂花が驚愕の声を上げると同時に御輿は動き出した。そして百人の兵達もそれに向かって動き出す。
「危ない!」
正面から当たりそうになるその光景に、思わず叫んでしまったが
「――え?」
次の瞬間には、御輿が兵達の背後を駆け抜けていた。
「何よあの機動力……」
「あれで敵陣に突っ込んで大将首を狙うそうです」
「総大将が突っ込む気!?」
「危険だと止めようとしているのですが、あれでは……」
会話の最中も兵士達を避けて駆け回る御輿、触れることもままならないようだ。
「――私が指揮をとるわ、皆!指示に従って動いてちょうだい!」
桂花の言葉に、浮き足立っていた兵達の足並みが揃い始める。
「ほほう、我に挑むとは笑止!
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