閑話―荀ケ視点―
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のか?仕えたくないのか?」
「わ、私は……」
まっすぐ荀ケの目を見つめる袁紹、何故だかその瞳の前ではどのような嘘も看破されてしまう予感がした。
「仕え……たいです」
そして気が付くと本心を口にしてしまい慌てて発言する。
「し、しかし私は今まで多大な無礼を犯してしまいました!!」
「荀ケ――」
袁紹は玉座から立ち上がり静かに歩み寄る。
「人間は大小の差はあれど過ちを繰り返す生き物だ、大事なのはそれを言い訳にして立ち止まらず、糧にして前に進むことよ」
「……」
そして荀ケの前まで来た袁紹はさらに言葉を続けた。
「それに、我にとっては手のかかる猫のようなものであったぞ!!フハハハハハ」
「お、お戯れを」
いつの間にか差し出された袁紹の手をとり立ち上がる。自分から男性に触れるのはいつぶりだろうか、
もしかしたら初めてかもしれない。
握った袁紹の手はとても暖かく、荀ケの心を溶かすほどに心地良かった。
「本当に私は……仕えてもよろしいのですか?」
「くどい!もとよりお主ほど有能な者を今更手放す気など毛頭ないわ!!」
その言葉に荀ケの迷いは完全に消え去り一歩さがる。
「―――私の名は荀ケ、真名を桂花、今この時より袁紹様を生涯の主とし仕える事を誓います」
そして改めて臣下の礼をとった。
「うむ、我が真名は麗覇、お主の今後に期待してこの真名を預ける。頼りにさせてもらうぞ桂花!!」
「―――はい!!」
………
……
…
「桂花、少しいいか?」
「は、はい、何でしょう?」
「この報告書なのだがな――」
桂花が改めて仕官し、互いに真名を交換して数日が過ぎた。
以前に比べ、大分距離が近くなったものの、どこか遠慮がちだ。
「……まだ慣れぬか?」
袁紹は彼女の男嫌いが払拭されきっていないと思っていた。
「違います!え、えっと、申し訳ありませんでした!」
突然謝りだした桂花に、袁紹は頭を傾げる。
「何をだ?」
「いろいろです!まだしっかり謝罪していませんでした!!……初めてお会いした時の態度とか」
「もう改善されている。それに、謝られるほど我は気にしていない」
「……麗覇様の政策を酷評しました」
「実際問題だらけだったな、お主の知恵が無ければ危うかったぞ」
「……麗覇様に、その、失礼な言葉を」
「フハハハハハ、猫の鳴き声のようなものよ」
「ま、またお戯れを」
「すまぬな……、しかし懐かしいな」
「何がですか?」
「実は我も今のように、昔慰められてな――」
………
……
…
「……そのような事が」
「事実だ、
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