閑話―荀ケ視点―
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……何か問題がありますか袁紹様?」
「様付けは初耳だぞ」
「気のせいです」
………
……
…
―――好感度40%―――
「ええっ!?この魚醤を開発したのも袁紹様なのですか!!」
「フハハハハハ、我である!」
「……すごいです」
「王佐の才に認められるとは、我も鼻が高いぞ」
「……」
「そろそろ心は決まったか?」
「っ!?」
「我には目指している目標がある――それには王佐の才が必要不可欠だ」
「わ、私は」
「近いうちに答えを聞かせてくれ、たとえ仕官を断ったとしても我は責めぬ」
「……」
………
……
…
―――好感度50%―――
「私は、袁紹様の元ではお仕え出来ません」
「……」
やっとの思いでそう口にする。昨夜決心したにも関わらず後悔の念が襲ってくる。
できればすぐにこの場、いや、この地から離れたかった。
「面を上げよ」
「はい」
その言葉に恐る恐る顔を上げる。彼はどんな表情をしているだろうか?落胆か、憤怒か、あるいは―――
(ああ、やっぱり)
彼の表情は荀ケの想像通り、とても悲しそうなものだった――
きっとその表情の下で、荀ケを繋ぎ止められなかった自分を叱咤しているに違いない。
荀ケの胸が締め付けられる。本当にこのままで良いのだろうか?
(でも、私は)
「今の言葉は本心か?」
「……」
まるで見透かすように聞いてくる。その言葉に肩が震え口が渇く、荀ケは心の何処かで本心を暴いてもらいたいと思い始めていた。
「……怖いか?荀ケ」
「え、怖い?」
「どういうことですか?麗覇様」
斗詩と猪々子が言葉の意味を聞こうとするが袁紹は構わず続ける。
「『男嫌い』であった自分を否定するのが」
「っ!?」
袁紹の言葉に目を見開く、またもや核心を突かれ思わず彼を凝視する。
初日に核心を突いた時の彼の目は、鷹のように鋭くこちらを観察していたのだが今はどうか―
目は細められているが鋭さは無い、むしろ父親が愛娘を見守るような慈愛に溢れた眼差しをしていた。
「!!……」
そんな眼差しに対してばつが悪くなった荀ケは、視線から逃れるように再び頭を下げる。
そうでもしなければ気持ちが溢れそうだ。
「フハハハハハ!お主はそこまで我につむじを見せたいのか?いや、被り物で見えぬがな」
「っ!?し、失礼しました!」
袁紹のおどけた発言に張り詰めた空気は弛緩し、荀ケは気持ちが少し軽くなるのを感じた。
「荀ケ、我は過去では無く今の本心が聞きたい」
「今の……私の……」
「荀文若は袁本初に仕えたい
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