閑話―荀ケ視点―
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れだから男は!?この状況でその質問に答えられるわけないじゃない!!)
「い、いえ私は別に――「申せ」っ!」
何とか場を取り持とうとした荀ケだが袁紹は彼女の言葉を遮り答えを促す。
「お主ほどの才女が無意味に男を嫌うとは思えぬ、我はその理由が知りたい。
もう一度聞く、―――男が嫌いか?」
「……」
そこまで聞いた荀ケの心は、どす黒い何かで埋まっていく。
(何で……勝手に仕官させられた先で、大嫌いな男達の視線に晒されながら、大嫌いな男に頭を下げ、大嫌いな男に男嫌いを告白しなきゃいけないのよ、私が何をしたっていうの?―――もう、我慢出来ないわ!)
「いえ……大っっっ嫌いよ!!」
………
……
…
―――好感度0%―――
次の日、荀ケは斗詩と街にくりだしていた。
前日の一件や、長旅による疲労、『その状態で働かせるというのは酷だろう』と、袁紹による計らいであった。
「……さっきから巡回の兵を良く見るわね、そんなに人を割いているの?」
「いえ、警邏所なる施設が各所に設置されていまして、そこから決まった区画だけを警邏させているので、目に付く頻度が高いんだと思います」
「ふぅん……いい案ね」
伊達に名族を名乗っているわけではなさそうだ。少なくともこれを手掛けた優秀な文官がいる。
素直に感心した様子でそう考えていると――
「提案したのは麗――袁紹様ですよ」
「……冗談でしょう?」
「真顔で聞き返されるなんて……本当ですよ!」
「……」
信じられないといった表情で警邏隊に目を向ける。するとまた疑問が生まれた。
「何故警邏隊がここまで溶け込んでいるの?」
荀ケの目に映った警邏の兵達は、民達と笑顔で挨拶を交し合っており、軽く談笑を始める者までいた。
「袁家の警邏隊には『地域に基づく警邏』を掲げておりまして――」
警邏は犯罪抑止のため、高圧的に行われるのが一般的だ。しかし、守る対象である民衆に避けられては遣り甲斐も無い。
そこで犯罪の取り締まり以外でも、道案内や軽作業の手伝いなども業務として行うことで、自分達を抑制する者達という認識から、自分達を犯罪から守る者として認識させるのが狙いだ。
そしてこれは大当たりした。今では武器を片手に歩く警邏隊の横で、子供達が楽しそうに遊びだすほどだ。
「提案者は袁紹様です」
「……」
斗詩の強めな口調で放たれた名前に、一瞬思考が停止する。
しかしすぐに蘇り欠点を口にした。
「警邏の目は行き届いているけど、これでは舐められて影の犯罪の抑止にならないじゃない!」
荀ケのその言葉に、待ってましたと言わんばかりに斗詩が口を開く
「袁家には私服警邏隊がいる
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