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無能騎士の英雄譚
一話
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……失礼します」

ドアをこちらから見えないように斜め立ちで閉め、室内で学長に頭を下げる

先程と同じ破軍学園の制服を着たステラその人だった

「遅いから来たわ、で、どうだったの?」

そう聞くステラ

「どうやら相部屋だそうです」

そう答える神

「はぁ!? どういうことよ!?」

「あとで話すつもりだったんだが。天地、ヴァーミリオン両名は今年度から同じ部屋で寮生活をして貰う」

「「意義ありだ(です)、理事長先生」」

「……まあ、そうなるな」

理事長の言葉を遮りステラが反論する

「幾らなんでも男と一緒の部屋なんて嫌です。まだ嫁入り前ですし」

「俺もだ。そもそも寮は二人一組ですが男女一緒の部屋ははないはずですよ」

「私が理事に就任する前年の話だ。天地、私の教育方針を言ってみろ」

黒乃に当てられ神は黒乃の方針を聞いたか思い出す

「完全の実力主義に徹底した実戦主義、ですよね?」

「そうだ。それが私の方針、学園の方針だ。破軍は他の学園に比べいいところが一つもない。しかも『七星剣武祭』でも優勝はおろか一回戦すら勝てない。理事会は立て直しを決め、私を理事に推挙した。部屋割りもその一つ。出席番号、性別、果ては学年関係なく力の近い者を同じ部屋にすることで、同等の存在同士で切磋琢磨させ競争を生
じさせる、というわけだ」

腕を横に広げ、ふてぶてしく己の思惑を明かす

「だったらステラさんは同じ力の学生とペアになればいいと思うんですが?」

「そうね、Aに届かなくてもBランクならいいと思う」

「生徒会なら何人かいるんじゃないか?そもそも多分俺と皇女様じゃランクが違いすぎる」

「ランクが違う?ちょっと、あなた何ランクなの?」

神の話にステラが神に問いかける

「恥ずかしいけど、Fランクだったよ」

「え、Fランク!?Fランクと一緒の部屋なの!?どういうことですか理事長!」

理事長に詰め寄り、机を叩き苛立ちを見せる。が
黒乃はにやけ顏を変えずに言う

「君達の場合は特別だ。実はウチにはヴァーミリオンほど優れた者がいない。かといって一人で部屋を使わせるとそれは勿体無い。そこで、一人だけの天地と組ませる事で無駄をなくす。余り同士で組ませる事になるが我慢してくれ」

その言葉にステラは眉をひそめ、手を顎に当て考える

「……もし私と同じぐらいの力をもつ学生が入学して、その人と部屋を同じにしてくれるなら……構いませんが」

「もしも、の話だがな」

Aランク伐刀者は十年に一度の逸材と呼ばれる程希少。それがこの学園にやって来るのは限りなくゼロに近い。理事長は断言は出来ないが出来るだけ希望に添えるよう手配はするつもりだ

「……分かり
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