水と油と菊の花
[7/7]
[9]前 最初
|エレベーター用語集より】)をフェリシアーノがのぞき込む。
「みんな寝ちゃってるね」
その言葉が信じられなくて己も小さなハッチに頭を突っ込むが、やはり連れは嘘をついてはいなかった。
中の3人はすやすやと状況に合わない寝息を立てている。
ギルベルトはともかく、ローデリヒと菊は(例の)膝枕という何とも当時の様子がうかがいにくいポジションだ。兄の悶えぶりがひしひしと伝わってくるようでルートヴィッヒは頭を抱える。
「それにしても何をしようとしていたのかなぁ…」
フェリシアーノはルートヴィッヒの胸中など察さずにまたエレベーターの中に目をやる。
確かにそれもそうだ。
ギルベルトは素っ晴らしくきれいに書かれた赤い字の裏紙(日本の世界遺産のプリント)と、ミミズのような文字の這った白紙(オーストリア産)の2枚を片手に持っているのだ。
そのうちミミズには最後の段に“ローデリヒ・エーデルシュタイン”とサインされている。
「菊…同盟…?」
「またバカなことを…。菊に手を出すと兄貴たちにやられるらしいぞ」
「え〜っ!!」
フェリシアーノがふてくされたように唇を尖らせる。
「でもいっか!」
つい先ほどまでとは異なり、太陽のような笑顔を向けられて、ルートヴィッヒも笑い返す。
「さて、早くここから出してあげるとするか」
「了解であります!」
end
[9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ